皮膚疾患の一種である帯状疱疹。
多田しげおも、学生時代と40代の頃の計2回、帯状疱疹を経験していると言います。
場所はどちらも同じで、ちょうど左胸の下あたり。
帯状疱疹は、読んで字のごとく綺麗な帯状にできる疱疹で、触るととても痛いのが特徴です。
ここ数年、増加傾向にあるという帯状疱疹。今後もその傾向は続きそうなんだとか。
ビリビリ痛い帯状疱疹。予防は可能?どこに出ると危険?
帯状疱疹はどんな悪さをするのか
今回は、この意外に身近な病である帯状疱疹について、藤田保健衛生大学皮膚科の岩田洋平先生に伺いました。
体中のどこにでも発生しうる帯状疱疹。
帯状に小さな赤いブツブツや水ぶくれと、痛みが生じます。
「まさにこういうことでしたね」と多田。「綺麗な帯状で、小さな赤い水ぶくれができて。触ったらビリビリっと痛いという」
「例えようのない痛さですよね」と原田も同意します。
人間の神経は左右に分かれて伸びているので、帯状疱疹の症状は右か左のどちらか一方にしか出ません。
体の片側にだけ赤く痛い水ぶくれが帯状に出た場合、すぐに帯状疱疹を疑うべきである、ということです。
帯状疱疹と水ぼうそうの関係
水ぼうそうのウイルスは、治った後完全に消滅するわけではなく、脊髄の神経節というところに一生潜んでいます。
普段は何も問題はありませんが、疲れたり体の抵抗力が落ちたりすると、このウイルスが再活性化し繋がっている神経に沿って皮膚に出てきてしまうのです。
これがいわゆる「帯状疱疹」というものの正体。80歳までに3人に1人はかかるということです。
「たしかに疲れが溜まりきったところで出ました」と、火曜アシスタントの原田裕見子も納得の様子。
ココに出たら要注意!
帯状疱疹のウイルスは、神経を傷つけながら出てきます。
壊れてしまった神経はすぐには治らないため、痛みやしびれ、麻痺が残る場合があります。
特に気を付けないといけない場所は、角膜にウイルスが侵入する場合がある目の周り。
そして顔の筋肉を動かしたり、聞こえをつかさどる神経が走っている耳付近にも注意が必要です。
こういった場合は、一刻も早く病院にかかってください。
帯状疱疹が増えている理由
このように、実は厄介で怖い病気でもある帯状疱疹ですが、人から人に移ることはありません。
あくまでも、もともと自分の体の中に潜伏している水ぼうそうのウイルスが、再び元気になって外に出てきたという状態です。
それでは、なぜ近年増えてきているのでしょうか。
水ぼうそう自体は、ワクチンのおかげで患者数が減少しています。
しかしそのワクチンも、インフルエンザの予防接種と同じで、ある年は免疫がつきにくいということがあります。
水ぼうそうにかからずにワクチンのみで抗体をつけたという場合、そんなに抗体価があがらずに帯状疱疹になってしまうということがあるのです。
「皮肉な話ですね。ワクチンが普及して、その進化のせいで水ぼうそうは発症しなかった。でも免疫の付き方がちょっとなるい(物足りない)んだわということですね」と、残念がる多田。
こういった人が増えてきていることから、帯状疱疹のウイルスが簡単に表に出てくるようになって来たということです。
帯状疱疹を予防するには
水ぼうそうのワクチンを打つことで帯状疱疹の発症率は半減し、さらに神経痛の痛みも7割ほど減ったというデータもあります。
「ワクチンで免疫力がもう一つ付かなかった。じゃあもう一遍ワクチンを接種して免疫力をビシっとつけましょうと。そうすると奥に潜んでいるウイルスが表に出てくることが少なくなるでしょう、と」と理解する多田。
一度ワクチンを接種してから20~30年立つと免疫力が落ちてきがちなので、その頃にもう一度予防のために打っておくことがかなり有効であると言われています。
「私なんかね、2回表に現れましたけれども。こういう人は早速もう一遍ワクチンを打ったほうが?」と不安がる多田に対し、「でも、多田さんや私みたいに一度でも帯状疱疹にかかった人は、それによって再びウイルスへの免疫力が高まっているので。今後、帯状疱疹にはなりにくいということでした」と原田。
「自ら一遍帯状疱疹やって、免疫力を高めていたわけですね」の多田の言葉に、原田は「でも辛いですからね、修行みたいな病気ですからね」と独特の例えで返します。
「帯状疱疹の経験のない方、ワクチンで抑えたはずだという方は、もう一度ワクチンを打っておいたほうがベターということです」と締める多田でした。
私もなったよ!の声続々
コーナー放送後「私も帯状疱疹になりました」というメッセージが何通も届きました。
「私もなりました、とにかく痛い。服が肌に擦れるだけでもこらえきれない痛さ」(Aさん)
気持ちがよくわかるという多田。
「学生時代、Tシャツを着ていると胸にできた帯状疱疹が擦れて痛い。ダバダバのTシャツしか着られないという時がありましたね」
「私も経験しました。比較的早く治まったんですけれども、神経痛が今も残って悩まされています」(Bさん)
「そうか、耳の周りが怖かったんですか。私、耳の真上の頭皮に出ました。診察の時は『口を大きく開けてニっと笑って!』『目はいつも通りみえていますか?』と、結構念入りに診てもらいました」(Cさん)
身近な病気となってきた帯状疱疹。いつ自分の身に降りかってくるかわかりません。
(ちなみに私はある日突然、お尻にできました)
まずはワクチンで予防。
それでも帯状疱疹になってしまった場合は、速やかに病院へ行って治療を受けてくださいね。
(minto)
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