今はラジオに投稿するのはメールがメインですが、昔はみんなハガキでした。
その郵便ハガキが6月1日から値上げされます。
今の52円から10円値上げされて62円になります。消費増税以外では23年ぶりの値上げ。そしてその62円になった郵便ハガキの発売が5月15日から始まりました。ちなみに年賀ハガキは、とりあえず据え置きだそうです。
この「ハガキ」にまつわる話題を多田しげおが説明します。
23年ぶりの値上げ!ハガキについて復習しましょう
日本最初のハガキはふたつ折り
まずは「ハガキ」の語源と歴史について。
日本古来の文書で、ちょっと書類の隅の方にメモ書きをするのを端に書くことを指す「はしかき」に由来しているようです。
同じことを「はしがき」とも言っていたようで、それが「ハガキ」の語源ではないかというのが定説です。
今では「ハガキ」と呼ばれていますが、昭和8年まで官製ハガキには「郵便はかき」と書いてありました。「か」が濁らなかったのです。
まさに語源通りの表現だったわけです。
古いハガキが出てきた時は「郵便はかき」か「郵便ハガキ」かを確認しましょう。「はかき」でなおかつ未使用だったら、プレミアがつくかもしれませんよ。
世界最初の郵便ハガキは、1869年オーストリアで誕生したと言われてます。
日本ではわずか4年後の1873年、明治6年に最初の郵便ハガキが発行されています。
当時日本の製紙技術はそれほど高くありませんでした。和紙はともかく、西洋スタイルの洋紙は薄いものしか作れなかったんです。そのため日本最初のハガキは、二つ折りでした。折らないと破れるほど柔い紙だったんですね。
イメージは「往復ハガキ」に近いですが、普通のハガキが二つ折りというのは世界的に大変珍しかったようです。
絵ハガキは昔のインターネット?
絵ハガキといえば、いまや観光地のお土産的なもの。
しかし歴史をさかのぼると、特に日本では、報道写真などのメディアとしての役割が強かったようです。
特に有名なのは明治30年代の日露戦争。こんな戦争でこんな風に勝った、負けたというのを写真と絵をハガキにして印刷して大量に作りました。
当時は情報を伝達するものがなかったため、現地の状況を知るために、みんながこぞってこの絵ハガキを買ったのです。
その絵ハガキに、近況を書いて誰かに送るとプラスの情報が加わって、またさらに情報が拡散します。
これって、スピードが遅いとはいえ、現代のインターネットに似ていませんか?
当時としては最新のスピードで情報が拡散されていたのが絵ハガキだったわけです。
圧着ハガキは日本独自のアイディア
現代のハガキの最大の問題点。
それは封書と違って書いてあることが見えてしまうことです。
最近は個人情報が見えないよう、剥がすタイプのハガキがあります。あれは「圧着ハガキ」といって日本独自のアイディアなんだとか。これほど圧着ハガキが普及しているのは日本だけです。
日本ではハガキと封書の送料の差が大きいです。当然、情報を大量に送るときは封書よりハガキのほうがお得です。それゆえに圧着ハガキが普及したのです。
日本の法律では、ハガキは一枚でなければならない、となっています。
圧着ハガキは二枚のようですが、しっかり圧着してあれば一枚の扱いとなります。
つまり 日本人のハガキ好きで郵便が普及した文化、法律の厳しさ、圧着する技術などの集大成が、圧着ハガキなんです。
最近はハガキを出さなくなりましたが、一つのハガキ文化みたいなものがありました。
ラジオでネタを読まれる、またリクエストといえばハガキでした。
(尾関)
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