たけのこはいまが旬。新しいたけのこは柔らかく旨味も強く人気があります。
しかし、たけのこの調理には手間とコツが必要です。他人から下茹でした状態のものをいただくか、スーパーで水煮を買うという方も多いでしょう。
今回は「たけのこの皮はどこまでむくの?」をテーマに、火曜アシスタントの原田裕見子が、料理研究家の関富子先生に伺いました。
今が旬!たけのこの皮はどこまでむくの?
まずは選び方から
まず、たけのこを選ぶポイントです。
たけのこは皮の状態を見ます。皮の色の薄いものがよいでしょう。さらに下を見て赤い斑点が少ないもの。この部分は将来根っこになるので、アクが多くて硬いそうです。
よいたけのこを選んだら、茹でる時に米ぬかと赤トウガラシ(鷹の爪)が必要となります。
米ぬかには、たけのこのえぐみを和らげる力があり、またたけのこを白くしてくれる作用があります。
トウガラシにもえぐみを和らげ、さらにぬかの臭いを飛ばす力があるそうです。
「『米ぬかを入れたら、こんなええ風になったわ』『赤トウガラシを入れたらえぐみが抜けたわ』とか、理にかなっているということなんですね」と、先人の知恵に感心する多田しげおです。
皮の切り方
さて、ここからが今回の本題、皮のむき方。
皮の先端部分は土を掘り起こして伸びていく部分なので硬いです。まずそこを斜めに切り落とします。
断面を90度グルっと自分の方に向けて、今度は縦に切り込み(隠し包丁)を入れます。皮がめくれやすくなるのと、米ぬかなどの成分が中に浸透しやすくなります。
切り込みはある程度深く、半分くらいと覚えておくといいです。
また絶対にやってはいけないのは、先に皮を全部むいて茹でてしまうことです。実は竹の皮自身にもえぐみを和らげたり、白っぽくする亜硫酸というものが含まれているのです。
時間をかけて茹でる
たっぷりの水に米ぬかとトウガラシをいれて、冷たい水から皮ごと茹でていきます。
最初は強火、煮立ってきたら中弱火。たけのこ1キログラムにつき約1時間茹でます。竹串をたけのこの横腹に刺してみて、それがスーッと通ればOKです。
そして、ぬか汁に浸けたまま冷まします。これでさらにえぐみが和やらぎます。すぐに出して皮をむくとたけのこの表面が縮こまったようになるそう。
完全に冷めるまで、余裕があればさらに少し置いてください。
えぐみが溶け出す温度は30度から60度とやや低めの温度です。だから水から茹で、今度はゆっくり冷やすことで、さらに溶け出しやすくするのです。
皮むきは十二単を脱がすイメージ
鍋から取り出したら、茶色い部分を回してむきはじめます。ここからは十二単の着物を脱がすイメージです。
茶色い外皮からむいていくと、茶と黄色の中間色みたいな色の皮が出てきます。これをまたむくと、繊維質が感じられないつるっとした黄色い面が出てきます。
ここが「姫皮(ひめかわ)」と言います。皮という名ですが、実はここから食べられるようになります。「ここかな?」と思ったら、まずは噛んでみましょう。
この姫皮、細かく刻めばお吸い物、茶わん蒸し、炒め物などいろいろな使い方ができます。生から茹でるとこの姫皮が食べられるのがいいところです。
裕見子の初茹でたけのこ登場
「結構手間がかかるし、経験がないと上手にはむけないのがたけのこの皮ですね」と言う多田に、「昨日夕方から、私が茹でて冷ましたものを持ってきました。一度やってみるとできます」と原田。
「あんなに大きなたけのこが皮をむくとこれだけ(の大きさ)に。ありがたくいただこうと思います」と、たけのこに対する気持ちを新たにしたようです。
たけのこ便り
この話題を紹介したあと、番組にはたけのこに関するメッセージが届きました。
「こどもの頃、たけのこの皮をむくように母から言われ、面白いので調子に乗ってむいていたら、半分くらいまで細くなってしまって叱られました」(Aさん)
「母の実家の三重からのたけのこ、主人の故郷の鹿児島からのたけのこ、毎年送ってもらっています。もう待ち遠しくて。それが来れば日々たけのこ三昧。必ず吹き出物が顔に出ます。炒め物、煮物、たけのこご飯、春になると嬉しいです」(Bさん)
「ちゃんと自分で下茹でして、然るべきところまでむくんでしょうね」と感心する多田でした。
たけのこの下茹で、こんなに手間と時間がかかるのですね。という私も下茹でしない派でした。来年こそ挑戦しなければ!
(みず)
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