ところ変われば法律や宗教が違う。当たり前のことですが、中には私たち日本人には想像もつかないような取り決めがある国や地域もあります。
多田しげおが、タイとインドネシアの特派員から送られてきた話を、ふたつご紹介します。
ゲス不倫など論外!東南アジアの若者に与えられた試練
くじ引きにやってくる美貌の男性
まずはタイ・バンコクの話題から。
4月。タイでは21歳を迎えた男性が30歳になるまでに行わなければならない、人生を左右する「あること」があります。
それはなんと「くじ引き」なんです。
これはタイ軍の徴兵で、ツボの中に入っているのは赤と黒の紙。
赤紙を引いた人は2年の兵役へ、黒紙の人は兵役免除。と言うわけでまさに天国と地獄をわける運命のくじ引きなのです。
バンコクのとあるくじ引き会場では、82本のクジのうち赤紙が7本、黒紙が75本。
圧倒的に赤紙が少ないものの、必ず誰かに徴兵は当たる。それが自分かもしれない。タイの男性にとってこのくじ引きは、まさに人生のターニングポイントとでも言うべきものなのでしょう。
その中に、時折美貌の男性が入ってくることがあります。
「タイですからねー」と桐生順子がもらすように、タイは美しいトランスジェンダーが多いことで知られている国。
見た目は完璧な女性、しかしタイでは日本のように戸籍の変更が認められていないため、あくまでも男性として徴兵検査に来なければならないそうなのです。
しかし実際は、当局の判断で「君に兵役は無理だね」ということで、くじ引きから除外されるとのこと。
もしや兵役を免除してもらうためだけにトランスジェンダーのふりをしている、という場合もあるのでは?と思ったのですが、性転換手術を行っているかどうかは医師のチェックが入るとのこと。そんなに甘くはないようです。
男女の婚前交流は「公開鞭打ち刑」
続いてインドネシアの話題です。
インドネシアは人口の9割がイスラム教徒という、世界有数のイスラム教の国です。
大概は穏健派。ですがアチェ州はインドネシアでは唯一イスラム法に基づく決まりが残っていて、宗教警察がある地域です。
結婚を約束しているかどうかは一切関係なく、結婚前の男女交際、キス、性交渉など全てNGで、見つかると逮捕されてしまうとか。
ここで桐生がすかさず「手つなぎはOK?」と尋ねますが「いやぁ微妙ですね、ギュっと握ってたらあかんかもしれないね」と多田しげお。
先日、結婚前にキスや性交渉をしたとして、男女4人ずつが宗教裁判で有罪となり、公開鞭打ち刑となりました。
公衆の面前で辱めを受けるということで、若者には耐えがたい苦痛だと思われます。
多田も「まだまだこういうところもあるんですね」と驚きを隠せない様子。
結婚前の男女でこれだけの罰が与えられるなら、夫や妻がいるにも関わらず違う相手と交渉を持ってしまった場合には、一体どんな恐ろしい罰が待っているのか、そう考えただけでも恐怖です。
タブーは犯したくなるのが人間?
「ゲス不倫」が日常化してしまった昨今の日本。日本にもしこのような法律があったら、不倫はなくなるのでしょうか?
これほど大きく報道がされている危険な時期にも関わらず、次から次へと不倫が露見するところを見ると、自分は見つからないだろう、自分は大丈夫だろう、と思って油断している人が多いということ。
もしくはダメと言われるとますます燃えてしまう、と言ったところでしょうか。
まるで玉手箱を開けてしまった浦島太郎のように。
アチェ州の人々もきっと同じなのかもしれません。
人間の欲望は誰にも止められないものです。
(minto)
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