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こんなニュースがある時だからこそ知っておきたい!学芸員のお仕事

16日に山本地方創生相による「がん」発言によって、思わぬ注目を集めてしまっている学芸員。
学芸員とはいったいどんな資格を持ち、どんな仕事をしているのでしょう。
CBC論説室解説委員の後藤克幸がわかりやすく説明します。

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学芸員になるには資格が必要?


例えばアナウンサーや記者は、資格も法的な規制も何もありません。名乗ってしまえば、アナウンサーであり記者です。
一方で学芸員は「博物館法」という法律によって定められた専門職なんです。

資格を取るための規程もあり、法律によると「文部科学省が定める博物館に関する科目を学んで大学を卒業した者」となっています。どんな科目を学ぶかというと、博物館の目的、歴史、考古学、美術史などです。
また、文科省が行う資格試験に合格した人も資格を得ることができます。
その後、博物館に就職をして初めて「学芸員」になります。

学校の先生をイメージしてもらうとわかりやすいと思いますが、教員免許の資格を取った後、教育委員会に採用されて学校に配属されて初めて先生になりますよね。

学芸員になるための科目


後藤委員は地元の名古屋大学で行われている「博物館概論」というカリキュラムを調べてみたそうです。内容は、博物館と社会の関わり、博物館コンサート、サイエンスコミュニケーターとは何かなど、現代社会にマッチしたカリキュラムの講義だったそうです。
大学では、一般の人達に親しまれる博物館、社会とコミュニケーションする博物館を目指せ、という教育が行われているんですね。

そういうことを勉強してきた人たちが学芸員になり、いろんな美術館や博物館でコンサートを開催したり、芸術家とのトークを企画したりと情報発信を工夫して、社会と繋がって親しまれる博物館を目指す取り組みをしているんです。

博物館側が「不要」と言ったら?


博物館法によって、博物館には専門職員として学芸員を置くと規定されています。つまり学芸員は必要な職員なのです。

この法律による博物館というのは、地方自治体が設置する施設又は財団法人などが設置する施設を指します。そのため、民間が営業する○○ミュージアムとか博物館風に名乗るだけの類似施設には規定がなく、学芸員がいないところもあります。

博物館とは、資料を収集し、保管をし、展示をし、調査研究をして一般の人たちが親しめるような事業を企画して行う施設。それらを担う専門家がいないと困ったことになります。

例えば膨大な資料を集めたから博物館の経営をスタートしようとします。集めた資料をただ積んでおけばいいのか、倉庫に入れておけばいいのかとなると、そういうわけにはいきません。しっかりと保管できる専門知識のある学芸員がいないと、大変なことになってしまいます。
整理する、管理する、博物館ですから見やすいようにする。これができるのは学芸員だけなんです。

学芸員というと、その博物館の専門的なことを説明してくれる人、という表面的なことをイメージしてしまいますが、その博物館を訪れる人にとって見やすくなるよう、縁の下で活躍しているのが学芸員の仕事なのです。
(尾関)
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2017年04月18日07時22分~抜粋

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