ゴールデンウィークを名古屋で過ごそうという方は、レゴランドや名古屋港水族館で遊ぶ計画を立てている方が多いと思いますが、名古屋港水族館で特に人気なのがイルカのパフォーマンスです。イルカの機敏な動きなどを見ると、思わず感心してしまいますね。
さまざまな話題を専門家に聞く「情報サプリメント」、今日はイルカの生態について、名古屋港水族館の飼育展示第二課課長・阿久根雄一郎さんに伺いました。
水族館に行く前に知っておくと、10倍楽しめます。
名古屋港水族館へ行く前に知っておこう!イルカの秘密
「イルカは会話ができる」は間違い!
イルカは超音波を出して、会話のようなものができると聞いたことはありませんか。コミュニケーションが取れるという点がイルカが賢いと言われる理由の1つですが、実は会話のために音波を出している訳ではありません。
阿久根さんによると、一般的に「エコロケーション」と言われるものであり、海の中は光があまり届かず、水が濁った環境では視界が非常に悪いため、目ではなく音を聞くことにより周りの物体を認識する器官が発達してきたとのことです。
その器官を元に、超音波の反響の仕方で物の種類や素材が確認できるのです。
ちょうど潜水艦のソナーのような感じで、一定の間隔で音波を出しています。
ある実験で、大きさ5~7センチの物体を10メートル先の所に置き、大きさや素材を変えて試してみたところ、イルカは物体の違いを見分けることができたそうで、成功率は90%とかなり正確です。
また超音波により、先にある輪っかの中を通ったり、三角形のステンレスの板を見分けることも可能なのだそうです。
超音波をどこからどうやって出すの?
では、イルカはどこから超音波を出しているのでしょうか。引き続き、阿久根さんに説明していただきました。
イルカは頭の上に呼吸をするための穴である噴気孔がありますが、その奥に音を出して震わせる器官があります。
そこから口先へ向けて音を出し、おでこのように見えるメロンと呼ばれる器官でレンズのように焦点を合わせて、そこから超音波を出します。
超音波が物体に当たって跳ね返り、その超音波を受け取って初めて物体などを認識できるのですが、イルカはどこで超音波を受け取るのでしょうか。
超音波を受け取るのは下あごであり、骨を通じて音を認識します。
イルカのあごは広いために超音波が受け取りやすく、正確に物体を認識できるのです。
コミュニケーションは取っている!
超音波により物体を認識しているだけであり、別にイルカ同士で会話をしているわけではないと知り、ちょっと夢がなくなってしまったかもしれませんが、実は間接的にコミュニケーションを取っています。
超音波は他のイルカも受け取ることができるため、近くに仲間がいるということがわかったり、この先に物体があるということが他のイルカのおかげでわかるのです。
今後イルカパフォーマンスを観る時には、少し超音波のことを思い出してみてください。
(岡本)
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