健康ライブラリー

健康ライブラリー 2021年11月21日

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●教えてドクター 
★11月のテーマ「コロナ禍の妊娠出産」

名古屋大学医学部附属病院 産婦人科 教授
梶山広明 先生

妊娠中に新型コロナウイルスに感染した場合、出血や腹痛等の産科的な症状が伴うのか伴わないのかがポイントになります。妊娠中の出血や腹痛というのは、結果的に重症でないものもありますし、重症へと結びつく場合もありますので妊婦さん自身で判断するのは難しいです。そのような場合はまず電話でも良いのでかかりつけ医の先生に相談して下さい。その後何らかの診察が必要になるかと思います。赤ちゃんがだんだんお腹の中で大きくなってきますので何かしら軽い症状があることはありますが、多くの場合は一過性で終わります。ところが例えばお腹が痛いといったような症状がなかなか治まらない時には、大きな病気が潜んでいる場合もありますので注意が必要です。
 
●スマイルリポート地域の医療スタッフ探訪
前田信子 さん(笠寺病院 看護部長)

特に力を入れていること
当院は地域包括ケア病棟という病床を持っている病院です。看護に携わる者としていつも大切に思っていることは私達が健康でいるということです。私達が健康でなければ患者さんを看護することができないというように考えております。当院は発熱外来や新型コロナ患者さんの受け入れを行っている病院ではありませんので、職員が感染しないかぎり患者さんからのクラスター発生はないであろうと考えておりました。第4波までは外来に来られる患者さんの中で新型コロナウイルス陽性になる患者さんの数は数えるほどでした。しかし第5波は違いました。1日に何人もの陽性患者さんがあらわれて、外来師長から「もう院内の感染隔離場所がありません。」というような悲鳴にも近いSOSが私の内線にかかってきました。すぐに感染対策師長と共に、病院の公用車を止めている駐車場の車を異動させ、ドライブスルーで検査ができる体制を30分以内につくりました。こういったことが可能なのも民間病院の強みだと思っています。現場の意見がすぐに反映され、しかも一声かければ他部署の人達がかけつけてくれ、形にしてくれました。本当にありがたいと思っています。

心に残るエピソード
当院の職員で最初に新型コロナウイルスに感染したのは相談員でした。これは家族感染であり、患者さんとの接触が少ない立場の職員でしたので対策は最小限で済みました。それが昨年4月のことです。次に感染したのは医師でした。この時は本当に職員全員あわてました。今でもはっきりと覚えているのですが、金曜日にその医師が「我が子のおむつを替えても排泄物の匂いを感じない。」と私たちに訴えました。すぐにPCR検査を行い、日曜日の夕方に事務長から「先生は陽性だったよ」と連絡を受け、担当者が招集され、保健センターの指導のもと、すぐに当該医師の受け持ち患者を同じ病室に集め健康観察をし、患者家族の方へ説明とともに外来予約をお断りする連絡をしました。当然、患者さんやご家族から「どういうことだ!?」とクレームがくると心配していましたが、患者家族や外来患者さんの誰一人として苦情を言う人はいませんでした。逆に感染した医師をいたわる言葉や職員へのねぎらいの言葉をいただきました。それだけ新型コロナウイルス感染症が一般の皆さまにとって恐怖であり、いつ誰が感染するかわからないと感じておられるのだと思いました。それとともに私どもの職員が日頃から患者さんやそのご家族と良い関係づくりをしているのだと深く感動したことを覚えています。

今後の課題
新型コロナウイルス感染症の第6波がいつ訪れるかわかりませんが、最前線で感染患者の受け入れを行っている病院に少しでも貢献したいと考えております。アフターコロナと言われる感染時期を脱した患者さんで高齢の患者さんに当院へ転院していただき、安心して在宅復帰ができるまでの支援や、在宅療養されている患者さんの支援などを引き続き行っていけたらと思っています。
 
 

 
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