健康ライブラリー

健康ライブラリー 2021年8月8日

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●教えてドクター 
★8月のテーマ「糖尿病医療の最新情報」

名古屋大学医学部附属病院 地域医療教育学講座 准教授
岡崎研太郎 先生

糖尿病になりやすい生活のスタイルがあるということが、これまでの研究でかなりわかってきています。その中の一つとしてストレスによる生活の乱れがあります。ストレスによって食べすぎたり飲みすぎたり運動不足になったりすることはよくあると思います。その結果体重が増えたり体の中の内臓脂肪が増えたりすることで、糖尿病になりやすくなることがわかってきました。糖尿病に気をつけるにあたって、食事の面から手軽にできることをお伝えします。「体重を減らしたい」、「血糖値が気になる」と思っていらっしゃる方は、ご飯を食べるお茶碗を一回り小さいサイズに変えるだけでも効果が現れると思います。人間は不思議なもので、ご飯をおかわりすると満足感や満腹感を感じます。普段より一回り小さいお茶碗でご飯を食べれば体に入ってくる炭水化物の量やカロリーの摂取量は減るわけですが、いつものようにおかわりをすれば、満足感は普通のお茶碗で食べた場合とさほど変わらないとされています。この方法で血糖値が下がったという方も多くいらっしゃいます。次に運動の面からできることをお伝えします。運動はそれぞれの方にとって、始めやすく、やりやすく、続けやすい方法が良いと思います。「歩くことは健康に良いですよね?」とよく尋ねられます。歩くことは手軽にできる運動ですので、クッションの良い運動靴を買っていただいて、しっかり水分を摂りながら、危険のないルートで、安全な時間に行っていただくことはとても良いと思います。ところが中には太極拳が好きな方もいらっしゃれば、エアロビクスやヨガ、ラジオ体操やテレビ体操が好きな方もいらっしゃいます。どのような運動であってもしっかり動いてカロリーが消費されさえすれば良いと思います。種目によって効果に大きな違いはないと言われています。運動の継続時間についてですが、以前は「歩く場合は30分続けて歩かないと脂肪細胞が燃え始めないのであまり効果が無い」と言われていました。しかし最近では、朝10分歩き、昼ごはんの後に10分歩き、夕方に10分歩くというように小分けにして歩いても、30分続けて歩いても効果に大きな違いはないことがわかっています。お忙しい方は特に小分けにして運動するという方法も良いのではないかと思います。「こうでなければならない。」という方法はないので、医師と相談しながら、ご自分に合った方法を見つけていっていただければと思います。
 
●スマイルリポート地域の医療スタッフ探訪
吉田神奈 さん / 笠掛まり さん(名東老人保健施設、支援相談員 / デイケア介護士)

特に力を入れていること
今まで地域の方との交流や健康維持のための体づくりなどを目的に認知症カフェを開催していましたが、地域の方々の要望に細やかに対応できるよう、4つの取り組みを始めました。まずこれまでの認知症カフェの在り方を見直し、認知症カフェと介護予防サロンの2つのサービスに分けました。認知症カフェでは認知症の方やそのご家族が悩みを相談したり、同じような悩みを持つ方と交流したりできる機会を作ることで、皆様の息抜きの場になることを目指しています。介護予防サロンでは、医師や看護師やリハビリ職員をはじめとする、施設の専門職員による講演や健康体操プログラムを通して介護予防や認知症予防に努めています。また新たな取り組みとして、介護保険サービスを利用されていない高齢者を対象としたご自宅からスーパーまでの送り迎えをお手伝いする「買い物送迎サービス」や入所されていた利用者様が使い慣れたおむつや尿取りパッドを引き続きご利用できるよう、ご自宅までお届けする「おむつ宅配サービス」を開始しています。

心に残るエピソード
認知症カフェの参加者の中にいつもご自分で漬けた白菜のお漬物を持ってきて下さる方がいらっしゃいました。お漬物がとてもおいしかったので他の参加者の方々や私達職員もいつも楽しみにしていました。持ってきて下さるご本人も私達が喜ぶ姿を見ることで、さらに熱心にお漬物を作られるようになりました。認知症カフェにお漬物を持ってきていただくことが、その方の大きな役割の一つとなっていたようです。また、別の参加者の方のお話ですが、最初はお一人で認知症カフェにいらっしゃっていたのですが、回を重ねるごとに奥様やお子様も一緒に来て下さるようになりました。最近ではそのご家族が3人で一緒に参加して下さいました。家族で外出して楽しい時間を共有できる場所としてご利用いただいたことがとても嬉しかったです。

今後の課題
すでに介護サービスを使っている方にも、全く介護のことがわからない方にも、気軽に立ち寄っていただける場となれば嬉しいです。また、「参加して良かったな」、「また行きたいな」、「利用したいな」と思ってもらえるような内容をご提供できればと思っています。
 
 

 
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