●教えてドクター |
名古屋大学医学部附属病院 中央感染制御部教授
八木哲也 先生
現在は医療従事者で先行接種が始まっています。各都道府県でいくつかの選ばれた医療機関にて接種が始まっています。高齢者の接種については政府が4月12日から始めると発表していますので、その時に間に合うようにワクチンが配布され、4月26日の週から本格的な接種が始まるだろうという見通しが立っています。現在各自治体では、どのような体制で皆さんに接種を行うかということが検討されていると思います。小学校などの体育館に多くの人が集まり集団接種を行うことも考えられています。あるいは、かかりつけの開業医さんで接種を行っていただくことも考えられます。または高齢者施設に入所されている方については、施設にいながらにして接種ができるようにと考えられています。それぞれの方々の状況によって接種の体制も変わってきますので、自治体からの案内を注意して聞いていただきたいと思います。例えば、在宅医療を受けておられるような方は、その在宅医療を提供して下さっているお医者さんなどに確認しサービスに基づいて接種を受けていただけると良いと思います。外国の例ですと、ワクチンを接種するバスのような車で地域に出向き、在宅医療を受けている人に家族と一緒に来てもらい、そこで接種を行ったりします。ワクチン接種に対してですが、ワクチンには副作用もありますが、それ以上には十分な効果があるということを知っておいていただきたいと思います。心配される副作用に対してもきちんとした対応の方法があります。副作用としてすぐに症状がでるアナフィラキシーであれば、接種した後30分程度その会場で注意して観察していれば、ほとんどの人がそこでは見つかりますので、そこで必要な対処が可能でしょう。接種をしてから1日後に起こってくるような発熱や頭痛などは軽度なものがほとんどです。これに対しては通常の解熱鎮痛薬などで対処が可能です。ですが、やはりその症状が長く続いたり、程度があまりにもひどかったりした場合は医療機関に相談していただくのが良いかと思います。心配な副作用それぞれに関して対応の仕方がしっかりとありますので、それをわきまえて接種に臨んでいただければと思います。