健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年11月22日

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●教えてドクター 
★11月のテーマ「With コロナ時代の心の健康」

愛知医科大学 名誉教授 / 伏見・長東伝クリニック 院長
小林章雄 先生

メンタル不調の方の中には長期の休みの際や、休み明けに調子が悪くなる方が非常に多いです。その原因として休みのうちに睡眠・覚醒のリズムが崩れてしまい、それを通常に戻そうとして辛くなるということがあります。そういったことを考えますと、心の健康を維持していくためには生活リズムを一定に保つことが必要です。体のリズムというのは24時間きっかりではなく少し長いです。その体内の時計を毎朝リセットするため、同じ時間に起きて光を浴びてご飯を食べるということが大切になります。これを行わないと20分ずつ体内の時計が遅くなります。是非生活リズムをきちんと保っていただきたいです。また人との交流は絶対に必要なもので、これによって心の健康が保たれているとも言えます。ソーシャルディスタンスといって、人との距離を保つことの必要性が言われていますが、物理的な距離は保つとしてもコミュニケーションは意識的にとっていくことが必要ではないかと思います。辛い時には一人だけでもいいので、自分のことを理解して見ていてくれるような人が必要です。またその場所へ行くと安心できるといった居場所があると良いと思います。また、人と人が声やリズムを合わせるのは心の健康にとって非常に良いです。リモートで飲み会をするだけでなく合唱やハミングを行うと心の健康にはかなり良いと思います。治療として取り入れられることもあります。
 
スマイルリポート 地域の医療スタッフ探訪
大城京子 さん(居宅介護支援事業所 快護相談所 和び咲び=わびさび 介護支援専門員)

特に力を入れていること
私はケアマネージャーですので、ご自宅に住まわれている方が住み慣れた地域で最期まで暮らしていけるため、最期までその方に関わり続けることが大切だということでアドバンスケアプラニングの普及・啓発活動に取り組んでいます。「人生会議」とか「ACP」といった言葉がテレビでも話題になっていますが、そういったことについて勉強会や研修会を地域で開催しています。今、「もしバナゲーム」というアメリカ人が考えたゲームが広まっています。これは「人生会議」として最期の選択の中で出てくるであろうたくさんのフレーズがカードに書いてあり、それらを取捨選択するカードゲームです。人生の最期を考えることが日本でも各地域で取り上げられ、広がりつつあります。「日本人ぽいフレーズで人生会議のサポートツールがあたらいいね。」ということから「人生100年これからゲーム」というものを作りました。そして65歳以上の534名の方々にアンケート調査を行って、上位にあがったものをそのカードゲームのフレーズとして採用しました。中には突拍子もないような面白いフレーズもたくさんありました。例えば固有名詞を出して「〇〇さんに会いたい。」など、直接会いたいような希望をあげる方もいました。また「もう一度恋愛がしたい。」とか「好きな人に会いたい。」というようなフレーズもいくつかありました。このカードゲームの特徴は4色に色分けされているのですが、それぞれの色が「医療」、「生活」、「価値観」、「人間関係」というように分野で分かれているのが特徴です。

今後の課題
やはり今年はどうしても新型コロナウイルス感染症の問題がありまして、カードゲームのためになかなか集まることができないというのが一つの課題です。どうにかオンラインや携帯電話を利用して人とのつながりを感じながら、このゲームができるといいなと思います。人生の最期まで医療や介護のスタッフや家族とどんな過ごし方をしたいか話し合うきっかけになるこのカードゲームが普及すると良いと思っています。
 
 

 
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