健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年11月8日

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●教えてドクター 
★11月のテーマ「With コロナ時代の心の健康」

愛知医科大学 名誉教授 / 伏見・長東伝クリニック 院長
小林章雄 先生

不調の背景要因についてお話する前に、2つほど注意していただきたいことがあります。1つ目は、不調をメンタル面の不調だと思い込んでいても、実は体の病気が奥に隠れていることもあるということです。例えばがんの進行や、糖尿病や心臓病等の色々な慢性疾患や感染症等がメンタル面の不調を引き起こしている可能性もあります。まずメンタル面の不調であると決めつける前に、体の異常についても併せて考えることが必要です。2つ目は、「メンタル不調になったからには、何か原因が必ずあるはずだ。それは何だろう?何が悪かったんだろう?それさえ見つけ出してそれに対処すれば良くなるはずだ。」というように考えることが多いのですが、必ずしも原因は単純なものではないということです。全く原因に思い当たるものが無かったとしてもメンタル不調になるケースはあります。色々な要因が合わさってメンタル不調になることはよくあることです。例えば仕事でかなりストレスがたまって調子が悪い状態が続いているところに、ご両親のどちらかが病気になってケアしなくてはいけなくなったり、子どもさんが不登校になったり、親族との遺産をめぐる金銭トラブルに巻き込まれたり、などといったような事態が突然発生すると、そこで引き金を引かれたようにメンタル不調になることはよくあります。このように複合的な要因がありますので、単純にこれが原因だと決めつけない方が良いです。ストレスの要因を大きく考えてみますと、一つは心理的負担が大きいことが自分に降りかかってきた場合です。人生の中の重要な出来事に対してかかるストレスについて、ホームズとレイが、「人生の出来事にどのくらいストレスがあるか」という得点を表にしたものがあります。その表の中で一番ストレスが高く100点言われているのが配偶者の死です。また離婚は73点、解雇や失業は47点、退職は45点と表され大きな人生の出来事がストレスとなっていることがわかります。そういったことだけでなく、仕事の面で言いますと、仕事の量が多すぎるとか、仕事の質が難しすぎるとか、仕事の責任が急に重くなった等の心理的負担が大きすぎるという要因があげられます。例えば納期が迫る中でたくさんの難しい仕事に長時間従事しなければならないような場合が該当すると考えられます。
 
 
スマイルリポート 地域の医療スタッフ探訪
玉井健雄 さん(藤田医科大学病院 看護主任)

特に力を入れていること
「フジタイム」という院内ラジオのパーソナリティーとして参加しています。私は普段患者さんのそばにいる看護師という仕事をしていますので、ストレスの多い入院生活の中で楽しみになるようなラジオ配信ができるようにという気持ちで関わっています。病棟で仕事をしている時に患者さんより「ストレスをかかえている」、「入院生活で楽しみが無い」といった発言を聞くと、院内ラジオをご案内させていただいています。そして少しでも皆さんの心のよりどころになればと思いながら配信しています。

心に残るエピソード
色々な知識や経験を持ったスタッフが一緒になって院内ラジオに取り組んでいるので、異なる職種であるドクターや薬剤師や医療事務など様々な方の一面を見ることができ楽しく感じています。また患者さんから、廊下ですれ違う際に「院内ラジオのパーソナリティーの人だ!」と声をかけられたり、「退屈な入院生活の中でラジオを楽しませてもらったよ」というお言葉をいただいたりすることがあり、院内ラジオパーソナリティーとして活動ができていることを嬉しく感じております。

今後の展望
患者さんが普段の入院生活の中で何を求めているのか、なかなかわからない中で院内ラジオを行っているので、もっと患者さんが参加できるようなラジオになれば良いと思っています。また現在は少人数で行っていますが、今後、藤田医科大学病院の様々な職員が院内ラジオを盛り上げていき、患者さんにより近い病院となるように院内ラジオが患者さんと病院の架け橋になればと考えております。
 
 

 
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