●教えてドクター |
名古屋大学 総合保健体育科学センター 教授
小池 晃彦 先生
新型コロナウイルス感染症の拡大により、外で運動したりジムへ行って運動したりする機会が減った方が多いと思いますが、注意をしながら外に出て運動することは、むしろ大事であることをまずお伝えしたいです。特に高齢者では運動の機会が減ることにより、体重が増えてきてしまったり、筋肉が減ってきてしまったりすることが心配されています。
また糖尿病の方は血糖値が高くなったり、脂質異常症の方はコレステロールが高くなったりしやすくなると言われています。そしてそれ以上に精神的に落ち込んでしまうことが心配されます。さらに外に出ないため太陽の光を浴びる機会が減り、ビタミンDが欠乏し、骨や筋肉も弱くなり免疫力も落ちてしまい、体内時計が働かなくなって眠れないということもおこります。ですのでこれを機会にむしろ運動習慣を身に着けていただき、気持ちで負けないということが大事だと思います。
公園等の広い空間で人と距離をとりながら運動したり、緑の中を歩いたりすることがとても大事です。お一人で運動するのも良いですし、普段一緒にいるご家族と一緒に歩くことも良いと思います。そうすることで気分も良くなりますし、運動を続けることにより気分も盛り上がります。運動をしやすい季節になりましたのでリラックスして楽しみながら、ウィズコロナという状況を逆に運動習慣を身に着ける機会にしていただけたら良いと思います。特に今までスポーツをしていた方が運動できなくなると、非常にストレスを感じることになります。状況にもよりますが、外で歩いたり走ったりすることはウィズコロナの状況下で最も危険が少ない運動です。一定の距離をとれる場合はマスクをしないで運動していただいて構わないと思います。