健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年10月11日

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●教えてドクター 
★10月のテーマ「With コロナ時代の健康と運動」

名古屋大学 総合保健体育科学センター 教授
小池 晃彦 先生

無酸素運動と有酸素運動の違いは、体のどのようなメカニズムを使ってエネルギーを作るかという違いです。酸素を使いながらエネルギーを産生するのが有酸素運動、大きなエネルギーを放出するようなイメージのものが無酸素運動です。例えば有酸素運動にはジョギングやマラソン、ウオーキングなどの心肺機能を高めることを目的とした運動が含まれます。また筋トレには様々なレベルのものがあり、筋肉の機能を高め、筋肉を太く、強くすることに注目した運動から、500gや1㎏といった軽いものを持ち上げる運動を含みます。 軽い負荷の筋トレには、筋肉の持久力を高める効果があります。具体的には、筋肉の中のミトコンドリアというエネルギーを使う小器官が増えてきます。筋肉の質が高まる運動で高齢者の方には非常に有効です。高齢者になると様々な筋肉を使わなくなり、そのため体が曲がったりします。その使わなくなった筋肉を少しでも良いので使うことにより、急に身体機能が改善するということがわかっています。
有酸素運動は、できれば毎日少しずつ続けると良く、筋トレに関しては週に2回か3回が良いとよく言われますが、楽に感じる軽い筋トレに関しては毎日行っても大丈夫です。特に糖尿病にかかっていて血糖値を下げたい場合はジョギングやウオーキングなどの有酸素運動を毎日行うことは大事です。
 
スマイルリポート 地域の医療スタッフ探訪
近藤祐子 さん(大口町 健康福祉部 健康生きがい課)

特に力を入れていること
高齢者福祉の観点から地域の皆さんと地域包括ケアの体制作りに取り組んでいます。大口町では地域包括ケアの体制作りを地域づくりと位置づけまして、「普通に暮らし続けられる幸せな町づくり」をテーマに平成29年度から介護予防(健康づくり)や生活支援や住民の皆さんどうしの支え合いの在り方について、地域住民の皆さんとの意見交換の場として「まちづくり座談会」をずっと実施してきました。一方専門的な立場から高齢に関わる機会の多い医療関係者(ドクターや薬剤師など)や介護事業所の皆さんにも地域住民の暮らしの基礎となる情報をお伝えしたうえでご支援いただきたいと思っております。わが町の人口構造の変化や高齢化率、要介護認定率などを共有しながら地域活動の現状もお伝えしています。地域の皆さん同士、専門職の皆さん同士のつながりづくりはもちろんのこと、地域と専門性の高い機関をおつなぎするのも私たち行政の役割だと考えております。そして私たち行政自身が患者さんや利用者さんに対して何か直接支援できることはほとんどありません。住民の皆さんの思いを中心に、困りごとの解消に向けて支えて下さる関係者が動きやすい体制づくりをしていきたいという思いで町の中を駆け回っています。

心に残るエピソード
包括ケアの体制づくりは多職種連携などと言われますが、なかなか一足飛びにできるものではありません。多くの皆さんと色々なテーマを共有できる時間を重ねています。悩ましい課題もたくさんありますが、様々なケースを通して多くの皆さんと知り合い、一緒に解決するという経験をたくさんさせていただいております。先日とある単身高齢者の方の最期をお見送りさせていただきました。病院の相談員さんやケアマネージャーさんをはじめ介護事業所の皆さんや関係機関の皆さんと一緒に地域の皆さんとの連携による地域包括ケアを実感した実例だったと思っております。ご一緒した皆さんへの感謝の気持ちもあわせてお見送りさせていただいたあの事例はずっと胸に残っていくのではないかと思います。

今後の課題
高齢者の増加に加えて家族の関係性にも変化がみられ、地域住民がかかえる課題は複雑で多様化してきていると日々実感しております。対象者さんに加えて家族の状況も確認しながら支援策を検討する必要があるのではないかと思っておりますが、高齢者福祉や障がい者福祉などと分野で考えるのではなく、地域共生社会の実現に向けて町内連携(行政内部の連携)が求められるのではないかと思います。ところがこれが意外に外部との連携より難しい課題なのかもしれないと思っております。
 
 

 
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