健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年8月2日

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●教えてドクター 
★8月のテーマ「新型コロナ感染症の現状と今後の課題」

名古屋大学医学部附属病院 中央感染制御部 教授
八木哲也 先生

<新型コロナウイルスの特長>
人の社会の中では通常の風邪のウイルスとして4種類のコロナウイルスが知られています。その4種類位のウイルスが入れ替わり立ち代わり流行しています。今回の新型コロナウイルスのように重症化して肺炎で人が亡くなるということはありません。新型コロナウイルスは今までのコロナウイルスと違っているため、我々が対策をとって予防したり、入院・治療したりすることが必要となっています。インフルエンザについて申しますと、インフルエンザにかかることによって、もともとある持病が悪くなり死に至ることが怖いのです。新型コロナウイルスにもそういった側面はあるのですが、そのものの感染症により特に肺炎が重症化し、そのために直接人が亡くなることがあるのがインフルエンザと異なります。肺炎が進んできて酸素投与が必要となり、どうしても入院しなければならなくなる方は全体の10-20%前後だと言われています。その中でさらに人工呼吸器管理や人工肺が必要となる方は酸素投与が必要な方の中の10%位と言われています。そういった方々は持病がある高齢者に多いのです。一方で症状の軽い方、無症状の方には若年者が多く、今そういった若い方々に感染が広がりつつあります。全体としての感染者数が多くなってくれば、やがては合併症を持っており重症化が危惧されるような高齢の方にも広まってくることになります。ですから一人一人が新型コロナウイルス感染症に対して注意し、社会全体が協力して取り組んでいかなければならないと考えています。
 
スマイルリポート 地域の医療スタッフ探訪
脇田 雅子(ませ調剤薬局 薬剤師)


特に力を入れていること
最近やっとマスクや消毒用エタノールが入荷してくるようになりました。しかし、不安定な供給状態は変わっておらず、薬局のカウンターにおいてもビニールカーテン越しでの対応が今後も続きます。そして仕事を始める前に検温や店内とトイレの消毒清掃、店内の換気も行っております。また、私のような在宅医療を行う薬剤師のかばんの中には、消毒エタノール・マスク・シールドといった物が常備されています。それから新型コロナウイルスは未知のウイルスですので、今後も対策について色々と変更があると思われます。実際にこの夏の暑い時期に入り、マスクの着用は熱中症になりやすいということで、「人との距離をとることができればマスクを外してもかまわない。」というように変わってきました。しかしまた第二波がこようとしていますので、マスクが外せなくなる事態もおこるかもしれません。また、2歳児以下の小さなお子さんにつきましては、マスクをされますと窒息の心配があるので、マスクをおすすめすることが難しいです。このように新型コロナウイルスへの対策に対して色々な変更がなされると思います。私たちも国や関連学会の医療情報を注意深く集め、薬局スタッフで共有するようにしています。

今後の課題と市民の方へのメッセージ
今後はどの薬局でも消毒エタノールやマスクの流通体制が整って欲しいと思います。それから手洗いに取り組まれたことで、手が荒れている方が多いのではないかと思いますのでハンドクリームを使用していただきたいです。そして外出を控えてみえた、特にお年寄りの方々は体の衰えを感じていらっしゃるかもしれません。フレイルとよばれる虚弱状態になっている可能性もあります。また中には消毒薬は使えるのだろうか?などとご心配なことを抱えていらっしゃる方もみえるかもしれません。是非、調剤薬局にお越しの際には新型コロナウイルス対策について私たち薬剤師にもお声がけいただきたいと思っております。
 

 
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