健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年7月5日

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●教えてドクター 
★7月のテーマ「新型コロナと向き合う中での熱中症対策」

藤田医科大学 救急総合内科 教授
岩田充永 先生

人間は気温や湿度が高い環境では、体内の水分や塩分のバランスが崩れやすくなります。そういったことで体内の調節機能が低下してしまいます。その結果上手に熱を体の外へ出すことができなくなり、体調が悪くなることをすべてあわせて熱中症と呼んでいます。熱中症の症状が軽い時は、ちょっとめまいがしたり、立ちくらみがしたり、足がつったりします。また風邪の症状のような頭痛や吐き気が起こることもあります。そこから徐々に症状が進んでしまうと、体温が38度を超えてさらに上がり続け、40度以上の重症になってしまうこともあります。このような場合は意識を失ってしまい、痙攣を起こしたり、肝臓や腎臓などの内臓にも障害が起きたりすることもあります。熱中症の治療についてですが、基本的には軽症の方には、涼しい所で水分や塩分を摂っていただきます。自分で水分を摂れないような方には、点滴の治療を行います。体温が42度以上になってしまうと、体温を下げるために人工透析をする場合もあります。熱中症というのは快適な場所にいれば確実に予防できるものです。熱中症には気温と湿度が関係します。気温が30度を超えるような日や湿度が60%を超えるような日のどちらかを満たしている日は、「今日は熱中症になりやすい日なんだ。」と認識していただき、できるだけ涼しく快適な環境にいるように努めていただくことがとても大切です。他の病気と違って確実に予防することができるのが熱中症の特徴です。屋内でもエアコンなどを使っていない暑い環境ですと、ご高齢の方や赤ちゃんは気づかないうちに、熱を体の外に出せず体内に熱がこもってしまいます。こういった症例が非常に多いです。
 
スマイルリポート 地域の医療スタッフ探訪
髙野洋子 さん(偕行会城西病院 総合相談窓口課 課長 )

特に力を入れていること
新しい取り組みとして、地域社会において男性同士の新たな関係づくりを考えています。偕行会城西病院で開催している認知症カフェの中でよく聞かれる意見の一つに「男性が集まれる場所が少ない。」というものがあります。そこで「男性が参加しやすい活動は何か?」と考えました。認知症カフェの音楽療法に参加する男性は歌を歌うだけでなく、その歌にちなんだ当時のエピソードの会話の時に発言することが多い傾向にあることがわかりました。そこでイギリスで実践されている、フットボールメモリーズという活動を参考に回想を用いて、男性が集う「ダンディートーク」(仮称)を開催する計画を立てています。男性を対象として野球や映画等を話題に会話を楽しむ会を開くことにしました。「ダンディートーク」では話題を広げるために当時の新聞記事や実物の写真などを用いる予定です。

心に残るエピソード
認知症カフェに参加されている80代男性4名の方に集まっていただき「プレダンディートーク」を試みました。テーマは「往年の野球選手」に設定して、私たち職員がファシリテーターとなって話をそれぞれの方に投げかけました。始めのうちは中々話が弾みませんでしたが、参加された方の心に響くキーワードや選手の名前が出てくると、男性同士だと話しやすいのか話が盛り上がり、時間を忘れて語り合う様子がとても印象的でした。男性のことは男性が1番理解できると感じました。男性のみのサロン会を行っている所は数少ないので、この「ダンディートーク」は発展するかもしれません。

今後の期待 
当院がある中村区は名古屋市内でも高齢化率が高い地域です。それに伴い高齢者の一人暮らしや高齢者世帯が増加傾向にあります。その中で、病院としてコミュニティーを創設することは地域貢献になるのでは?と考えています。先ほどもお話しさせていただきましたが、地域の方から「男性が集まれる場所が少ない。」という声がよく聞かれます。確かに地域のサロンで行われているのは女性を対象とした手芸やフラダンスなどが多いように思います。男性を対象に気軽に集うことができる「ダンディートーク」を開催することで、社会とのつながりを維持し、健康寿命を延ばすことができるのではないかと考えます。この男性同士で語る会が他の地域にも広がり、自然と人が集まる場が増えると嬉しいです。
 
 

 
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