健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年6月28日

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●教えてドクター 
★6月のテーマ「薬局と薬剤師の最新情報」

金城学院大学 薬学部 教授
網岡克雄 先生

処方箋の調剤にも新しい流れがでてきています。一つ目の流れは分割調剤というものです。最近病院からの処方で90日処方等、非常に長い期間お薬を出される経験がある患者さんが多いかと思います。そうしますと3ヶ月病院へ行かない、3ヶ月間は自分で病気と向き合う、ということになります。お薬に関しては、飲んだ時の副作用の心配があります。また、途中で別の病院で別のお薬をもらった場合、一緒に飲んでいいお薬なのか?一般薬やサプリメントは一緒に飲んでもいいのか?等判断に迷われると思います。そんな場合に分割調剤をという方法を用いることで心配が解消されると思います。分割調剤とは90日の処方箋が出た場合、30日分で3回に分けて調剤し、薬局に取りに来ていただく方法です。3回来てもらうことにはなりますが、その都度副作用や重複投与のチェック、また生活上のお薬に関する問題点についての相談をすることができます。そこで薬剤師により疑義があれば、病院に確認をしてもらったりします。こういった内容をすべて含めて分割調剤と言います。薬剤師及び町の薬局に、健康管理や健康のサポートにもっと関わっていただき、きめ細かい医療を提供していこうということです。もう一つの新しい流れは、今年の4月から始まった在宅患者や外来患者へのオンライン服薬指導に保険の点数がつくことになったことです。これは、患者さんが受ける医療サポートのサービスも、すべてオンラインでできるよう整備していこうと国が推進しているということです。まず薬局でオンラインの服薬指導を実施するためには、保健医療機関が直接薬局に処方箋を送付します。それからオンラインの服薬指導を行うことができるようになります。ただしその患者さんが3ヶ月以内に対面で服薬指導を受けたことがある場合に限ります。つまり一度もお会いしたことのない患者さんへのオンラインでの服薬指導には抑制がかかっています。とにかく一度、かかりつけ薬剤師・薬局を決めていただき、そこに相談するようにしていただきたいです。かかりつけ薬剤師・薬局は変えることができますので、合わなければ変えることができます。一度服薬指導を受ければ、次回からその薬局でオンラインの服薬指導を受けることができます。厚生労働省が進めているこの医療政策により、色々な意味で医療の恩恵を受けやすくなっていますので、是非、かかりつけ薬剤師・薬局を決めていただけたらと思います。
 
医療コラム 新型コロナと向き合う中で迎える熱中症の季節
論説室 後藤 克幸

季節はいよいよ本格的な夏へと向かっています。気をつけたいのが熱中症ですが、今年は去年までとは違った条件で厳しい夏を迎えようとしている点に注意が必要です。

4月から5月にかけて気温が上昇してくる初夏の頃、私達は新型コロナウイルス対策で不要不急の外出自粛を続けていました。本来なら暑さが増してくる初夏に私達は、様々な活動で屋外に出て汗をかき、徐々に暑さに慣れていきますが、今年はステイホームということで、家の中にいる時間が長かったため、多くの人が、例年のように徐々に暑さに慣れていく機会が少なかったと、言われています。真夏の厳しい暑さに、いきなり立ち向かわないといけないのです。

さらに今年は、新型コロナウイルス感染防止対策としてマスクをする時間も長く、体に熱がこもりやすくなっています。

「私はなるべく家の中にいるようにしているから熱中症は大丈夫だよ」と思っていらっしゃる方はいませんか?消防庁によりますと、熱中症の発生場所で1番多いのは、建物や家の中なのです。なんとその割合はおよそ45%。「部屋の中にいるから大丈夫」と思わないで下さい。部屋に熱がこもらないように是非心がけて下さい。部屋の風通しを良くし、エアコンや扇風機も上手に活用しましょう。水を浸したタオルを体にあてることも、体を冷やしてくれる効果があります。そしてよく言われることですが、こまめに水分を補給して脱水症状にならないように気をつける必要があります。

たくさん汗をかいたら塩分の補給も重要です。「朝ご飯のお味噌汁も夏の塩分補給にはとても良い」と専門医は、アドバイスしています。今年は特にこれからの季節、新型コロナ対策をとりながら、熱中症にもご用心なさって下さい。
 
 

 
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