健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年6月21日

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●教えてドクター 
★6月のテーマ「薬局と薬剤師の最新情報」

金城学院大学 薬学部 教授
網岡克雄 先生

新しい医療費制度の注目ポイントとして、かかりつけ薬剤師・薬局の推進があります。これは厚生労働省が4、5年前から大変力を入れている部分です。このかかりつけ薬剤師・薬局について説明します。例えばAという病院にかかるとその隣に門前薬局Aがあり、さらに皮膚科等にかかるとその隣にまた違う門前薬局Bがあるということになります。このように別々にお薬をもらっていると、2つのお薬の間に、相互作用があるか?あるいは重複投与があるか?といったチェックが不可能ではないのですが非常に難しくなります。今後はこのかかりつけ薬剤師・薬局を推進して、1つの薬局・1人の薬剤師を決めて、そこへ処方箋を持っていっていただきたいと思います。主にご自宅近くの薬局になるかと思われます。かかりつけ薬剤師・薬局は処方箋の医薬品を中心に整理し、その中で副作用や効果の継続的な確認や多剤・重複投与の防止を行い、すべての医療機関の処方情報の把握を行い、24時間対応することが求められます。それにプラスして健康サポート機能というものがありまして、こちらの方では国民の病気の予防や健康のサポートを行ったり、病気になる前の相談を受けたりすることを期待されています。かかりつけ薬剤師・薬局を見つけるためには、まず処方箋を一元化して持っていくことが大切です。それには自宅の近くや用事がある時に立ち寄る場所などが適していると思います。しかしかかりつけ薬剤師・薬局は24時間対応(電話対応も含む)が要件となっていますので、そういった意味では本当に自宅の近くに限られるか?というとそうでもなく遠方であっても電話対応で済む場合もあります。そうしますと相性が合うかどうかも含めて考え、かかりつけ薬剤師・薬局を選ばれるのも良いかと思います。是非、患者さんの方から積極的に薬剤師等に話しかけていただき、これから自分の健康や命を預けると考え、かかりつけ薬剤師・薬局を選んでいただければと思います。
 
スマイルリポート 地域の医療スタッフ探訪
川口明美 さん 
(外国人の介護スタッフを育成、紹介する「セティアマネジメント」部長)

特に力を入れていること
私は現在、人と企業の出会いを生み出し、つないでサポートする、人材の総合サービスを提供させていただいています。弊社には二つの大きな特徴がございます。まず一つ目はインドネシア人に特化した人材紹介会社である事です。そしてもう一つは介護・医療分野に力を入れていることです。弊社の人材育成プログラムを簡単にお話しします。最初に企業から人材の雇用条件を提示していただきます。この条件は弊社が即座にインドネシア語に翻訳し、インドネシアの看護大学や日本語学校へ連絡します。次に現地で集まった人材の絞り込みを行います。育成人材の選定はオンライン面接を通じて行い、最終選考に残った人材の育成をスタートする仕組みです。育成期間は全部で8ヶ月間です。この限られた時間の中で、日本語と介護のベーススキルを学ぶことになります。やる気があり優秀な人材を日本の医療・介護施設様へおつなぎして、「インドネシア人っていいね。」と言ってもらえるようなトータルサポートに力を入れて頑張っていきたいと思っています。

心に残るエピソード
名古屋市昭和区にある介護施設長様から頂いたお話が心に残っています。ある利用者様が入所されて中々その介護施設になじめずにいたそうです。ところがインドネシアスタッフが担当し始めたところ、利用者様の表情がとても穏やかになり初めて笑顔を見ることができたそうです。私はこの話をうかがってインドネシアは「世界一の微笑みの国」と言われていますが、本当に笑顔で利用者様に寄り添った介護ができているんだなととても嬉しく思いました。

今後の課題 
お客様からいただく声の中で、人材を採用してもすぐに辞めてしまうという悩みがあります。人材を採用するのはとても大変で時間もお金もかかります。それにもかかわらず苦労して採用した人材がすぐに辞めてしまっては元も子もありません。採用はあくまでもスタートラインです。採用した人材が定着するには就労後のアフターフォローが欠かせません。自ら育成するこのプログラムはそんな課題を解決するものだと思っています。毎月の面談で進捗状況を確認していただきます。このコミュニケーションにより人材に愛社精神が芽生え辞めない人材が育ちます。これからも患者様や利用者様に寄り添える人材育成に力を注いでいきたいと思っています。
 

 
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