健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年6月14日

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●教えてドクター 
★6月のテーマ「薬局と薬剤師の最新情報」

金城学院大学 薬学部 教授
網岡克雄 先生

PCRとよばれる検査では、鼻から綿棒で鼻水を採ることにより遺伝子を採取して、それを増幅してウイルスを見つけます。遺伝子を増幅するためには機械も必要ですし、時間もコストもかかります。ただウイルスを見つける感度は70~80%前後と言われていて、比較的高いです。次に、抗原検査や抗体検査というものがあります。抗原というのはまさにウイルスのことです。抗原検査とよばれるものは抗体のくっ付く所が、鍵と鍵穴のようにしっかりとはまり、試薬で色が変わります。それによってウイルスが入っていることがわかります。直接ウイルスを測るということですが、感度は少し低いと言われています。検査の時間は10分から30分程度ですし、費用も数千円ですので、PCR検査に比べると簡便ということになります。もう一方の抗体検査ですが、抗体があるかどうかを測る検査です。この検査のためには血液を採取して測定します。体が戦って抗体ができた後、その抗体を測るので、すでに感染した患者さんや感染して治った患者さんに対して行うことになります。一般的には抗体ができれば、その病気にはかからない、あるいはかかっても症状が軽いと言われています。そうなれば非常に安心して生活が送れるということになります。社会を正常な状態に戻すためには、抗体を獲得している人の人数は大変重要な指標になります。
 
スマイルリポート 地域の医療スタッフ探訪
山下史佳 さん(金城学院大学 薬学部6年生)

特に力を入れていること
私は病院で実習をさせていただく機会があったのですが、その時に、初めてお会いする患者さんとどのようにコミュニケーションがとれるか?と考えることに力を入れていました。患者さんは初めて会う方が多かったので、いきなり患者さんの病気についてのお話をするのではなく、身近な世間話等をして患者さんにリラックスしてもらう環境を作ることに力を入れていました。また、電子カルテ等にある医師の先生が聞いた情報を確認してから患者さんの元へ向かうことで、患者さんのことを理解しているということが患者さんに伝わるように努力し、患者さんと向き合っていました。よく患者さんのことを知ってから病室に向かうことによって、「実はこういうことを不便に思っていたんだ。」とか、「実はこういうことを医師には言えなかったけれど、思っていたんだ。」ということを、詳しく聞き取ることができました。

心に残るエピソード
私は患者さんから「毎日病室に来て欲しい。」と言ってもらえてことが、とても心に残っています。その方はがんの治療をしていて、吐き気等の副作用もかなりでている患者さんでした。その患者さんの病室を何度も訪問して、色々お話をしているうちに、「お話するのが楽しいから毎日病室に来て欲しい。」とか「お話しているうちに、気が楽になる。」等、治療のことを少しでも忘れられるというようなことを言っていただけました。

今後の抱負 
実習を通して高度な治療についてのお薬のことも聞かれますが、普段使っているサプリメントや薬局で買えるお薬等についての質問も多かったので、患者さんの身近にある薬についての質問や健康相談から、高度な質問まで対応できる幅広い知識を持った薬剤師になりたいと思っています。
 
 

 
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