健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年4月19日

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●教えてドクター 
★4月のテーマ「嚥下障害」

愛知医科大学 耳鼻咽喉科 教授
藤本保志 先生

嚥下障害に気づくには、嚥下障害を疑うことからスタートしなければいけません。「飲み込めません」と受診してくる方は少ないです。「ちょっとむせる」とか、「そう言えば食事中にコンコンしている」とかあるいは「食事中は平気だけどしばらくしてから咳が増える」というのは実は嚥下障害のサインです。食事中、むせたことに気づかずに後でたまった物を出そうとして咳が出ます。嚥下障害のサインとして、自然に食事に時間がかかったり、体重が減ったり、好きな食べ物が変わったりするということがあります。自然にむせやすい物を避けるからです。もさっとしてひっつき易い物を避けるわけです。おもちは誰もが知っての通りですが、カステラもひっつきやすく、もさっとしているので飲み込みにくいです。嚥下障害であるかどうかの診断のためにまず簡単な2つのチェックをします。まず30秒間で唾液を何度も飲んでもらうというテストをします。30秒の間に唾液を何回飲めるか測ります。若い人ですと30秒間に15~16回飲み込むことができます。疾患であると判断するのは2回しか飲み込めない場合です。30秒間に3回唾液を飲み込めれば合格ということになります。次にわずか3ccのお水をゆっくり飲んでもらって、安全に飲めるかどうかを観察します。きちんと観察して問題があった人にはもっと詳しい検査を受けてもらっています。これをルーティーンにしています。
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
堀内裕美子 さん(偕行会 城西病院 音楽療法士)

★力を入れて取り組んでいる事
私は偕行会城西病院内で行われている認知症カフェで、音楽療法を担当しています。音楽療法の参加者は80代の方が多く、その方達が若い頃によく聴いていた曲を中心に音楽の心を癒す力、コミュニケーションを引き出す力等を利用して、心や体の障害の改善や生活の質の向上を目指しています。音楽療法には毎回30名以上の方が参加されています。人数も徐々に、特に男性の参加者が増えてきています。参加されている方から「ここに来るのが楽しみ。ほっとします。」、「毎日の日課になっているので無くてはならない場所です。ありがとう。」という声を聞くと継続してきて良かったなと思います。参加される方の元気に過ごす活力になれば良いと思い、毎日力を注いでいます。今後も参加してくださる皆さんにとって大切な場であり続けることを目指していきたいです。

★心に残ったエピソード
参加者の方が音楽療法を行うにあたって、必要な道具の持ち運びやお部屋のセッティング、スタンプカードの準備等を自主的に行ってくれていることが印象的です。オリジナルソングを作った際には、作詞を音楽療法に参加されている皆さんが、作曲を私が担当しました。CD化もされて認知症カフェの定番曲になっています。参加者の皆さんが一緒に認知症カフェを盛り上げ、そして作り上げて下さっていることに感謝しています。

★今後の課題
参加者の中には実際に認知症の方が何名かみえて、常に注意を払わなければいけません。また中には「自分は認知症ではないか?」と心配に思っている方や、反対に「自分は多分大丈夫だろう。」と自信を持っている方もおみえです。現在名古屋市では65歳以上の方を対象に年に1度「もの忘れ検診」を無料で受けられるようになりました。もの忘れや認知症について気になる方は、検診を受けていただければと思います。また偕行会城西病院では認知症の予防として音楽療法だけでなく、笑いヨガや運動療法も定期的に行っていますので、お気軽にご参加いただければと思います。
 
 

 
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