健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年4月12日

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●教えてドクター 
★4月のテーマ「嚥下障害」

愛知医科大学 耳鼻咽喉科 教授
藤本保志 先生

年を重ねると喉頭が下がってくるという構造的な問題が起こります。特に男性に問題が起こりがちです。正常な嚥下運動では喉頭が高い所に持ち上がって空気の通り道を狭くし、食道の入り口が開きます。高齢になると、反射の低下や、喉頭の感覚や口の中の知覚の低下などが原因となって反応が遅くなること、喉頭が低いところから安全な高さまで上がるためには長い距離を動かなくてはいけなくなること。その二つが混じった問題となります。皆さん共通して、年を重ねれば握力が落ち、歩くスピードが落ちてきます。それと並行するようにノドの筋肉や舌の筋肉も落ちてくるようなのです。そういった状態を併せて「サルコペニア」という名前の概念で広まってきています。その筋肉量の減少をどう食い止めるか?あるいは嚥下に関して、どこをどうするか?ということが新たな課題となっています。誤嚥によって食べ物が肺の方に入ってしまうと、食べ物と一緒に口の中の細菌などが肺の中に入ります。そしてそのため、ばい菌が増えると誤嚥性肺炎が起こることになってしまいます。肺炎には色々ございますが、高齢になればなるほど、この誤嚥が原因となった肺炎の比率が高くなるようです。色々なデータの数字がありますが、70歳を超えると6割が、80代では8割位の人が、誤嚥が肺炎に関連しているのではないかと言われています。
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
クリストバル・キャロル さん (特別養護老人ホーム「おおて幸楽園」 ケアスタッフ)

★力を入れて取り組んでいる事
私たちの施設「おおて幸楽園」は平成24年の10月にオープンしました。もうすぐ7年半になります。3年前から外国人のスタッフが入って、今ではフィリピン人が7名、ベトナム人が4名働いています。今一番大切にしていることは、利用者様とのコミュニケーションです。フィリピン人スタッフとベトナム人スタッフとの間ではもちろん、日本人スタッフともコミュニケーションをとりながら、利用者様のお世話をしていきたいと思っています。

★心に残ったエピソード
99歳の利用者様から「いつもありがとう」と言ってもらい、とても嬉しくて「大切にお世話をしよう」と思いました。そして「これからも頑張ろう」という気持ちになれました。

★今後の課題
私たち外国人にとって日本の施設で働くことは「日本語はどれくらい通じるのかな?」とか、「利用者様は受け入れてくれるのかな?」などの不安があります。また私たち外国人と一緒に働くことは、日本人にとっても不安があると思いますが、言葉や文化の違いを理解していただき、困っている時は手を差し伸べていただけたら嬉しいです。今はスタッフが不足していて利用者様との時間をじっくりとるのが難しいですが、ゆとりを持って介護をしたいと思っています。
 
 

 
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