健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年3月1日

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●教えてドクター 
★3月のテーマ「在宅医療と栄養管理」

総合在宅医療クリニック 管理栄養士
安田和代 先生

「総合在宅医療クリニック」は岐阜県岐南町にある在宅専門のクリニックです。外来を持たずに医師や看護師や他の職種の者が直接患者さんのお宅にお伺いし、そこで診療や看護を行うというクリニックです。医師、看護師が訪問診療に行き、私たちは食支援チームとして管理栄養士、歯科衛生士、言語聴覚士でチームを組み、食べる事を支えております。病院で入院された後お家に帰られる方は、「できることなら最期まで家で過ごしたい。」と思って帰って来られる方がほとんどです。「家で過ごしたい。」と思われる方が安心してご自宅でお過ごしいただけるように、サポートするのが私たちの仕事です。実は私共のクリニックは現在の建物に約2年前に引越しをしました。業務上医療機関としての部分は建物全体の1/4ほどしかなく、他の部分は地域の方々とつながるスペースになっています。私共のクリニックが勉強会を開催することも行っておりますが、例えば、公民館のような雰囲気でヨガの教室やバランスボールの教室をしたりして、地域の方にご利用頂くこともあります。また、ウォーキング倶楽部の拠点になったり、月に1回子ども食堂を開催したりしています。地域の高齢の方がこのクリニックを使ってカフェのようなものを開かれることもあります。そのカフェも最初はクリニックのスタッフがサポートして開始しましたが、今は参加者が独自で行っています。そうした活動を通して「食べることを楽しんでいただき、元気で食べ続けることができる地域づくり」を考えています。そのため地域の方を対象に栄養のお話させていただいたり、「食べる口づくり」をいう視点でお口の事をお話しさせていただいたり、体重計測等も行ったりしています。
 
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
高野洋子 さん (偕行会城西病院 総合相談窓口 所長)

★力を入れて取り組んでいる事
地域の方達の認知症や介護に関する相談を承っております。主に介護保険の申請方法や介護サービス、権利擁護等の制度の説明を行っておりますが、他の相談にもいきいき支援センターさん等の関係機関と連携しワンストップで対応しています。病気や体調に関するご相談は院内の専門職につなぎ、対応が難しい場合は近隣の病院をご紹介しています。また取り組みの一つに認知症カフェがあります。認知症カフェは平日毎日開催していて、認知症の方やそのご家族、地域住民、医療や介護の専門職等が誰でも気軽に集い、仲間づくりや情報交換ができる場所です。認知症対策や予防方法についても学べる他、音楽療法や笑いヨガ、運動療法も行っています。そして認知症の方が住み慣れた地域で安心して暮らせるように、地域の方や職員に対し、「認知症サポーター養成講座」を行い認知症について正しく理解していただく活動もしています。

★心に残ったエピソード
認知症カフェを利用されている方で、「認知症サポーター養成講座」を受講された方々が近隣の介護施設の利用者様を認知症カフェへ送迎するボランティアや施設の傾聴ボランティアを始められ、社会の中で役割を見つけられたことが心に残っています。この方々のように病院と地域がつながって、お互いに助け合える関係が広がればいいなと思っています。

★今後の課題
2020年1月から名古屋市の「もの忘れ検診」が始まり、偕行会城西病院でも協力医療機関の一つとして検診を実施していますが、まだ知られていないのが現状です。認知症を早期に発見して、適切な治療やケアを受けることで、生活上の困りごとやトラブルが少なくなります。そのためにも一人でも多くの方に検診を受けていただきたいなと思っております。また介護する方も一人で完璧に対応しようとすると、どこかで無理が出てしまいますので、相談できる場所や情報交換できる場所、仲間づくりの場所などを色々なところに増やしていただきたいです。そして認知症の方が住み慣れた地域で安心して暮らせるように、社会全体が認知症についてもっと関心を持っていただきたいと思います。
 
 

 
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