健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年1月12日

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●教えてドクター 
★1月のテーマ「婦人科と漢方」

名古屋大学病院 産婦人科准教授 梶山広明 先生

漢方の領域の中の「気」についてお話します。「気」が足りないと元気がなくなってしまいます。体が怠くなると同時に食欲がわかなくなります。また「気」の巡りが悪いという状態もあります。その場合は精神的な活動が低下し、落ち込んで鬱々した気分になります。あるいは「気逆」といって、「気」が体中を逆流しイライラしやすくなる状態もあります。女性の場合はホルモンが揺れ動く時期に「気」の異常が多くみられます。例えば、月経の前後や妊娠に入る時と妊娠が終わる時、あるいは更年期などに「気」の異常が起こりやすくなります。そういった症状を緩和する漢方薬として「気」が不足している場合は、薬用人参を使った「補気剤」が使用されます。「気」の巡りを良くするためには、「理気剤」という漢方薬を使用します。「気」が足りない場合には補い、「気」の巡りが悪い場合には巡らすことで症状を緩和させます。色々な状況が重なると、精神的な安定が損なわれたり元気がなくなったり、それによって食欲がなくなったりしますが、漢方にはそういった状態を整える力があるということを、是非気にとめておいていただきたいと思います。
 
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
加藤丈晴 先生(どんぐり調剤薬局 薬剤師)

★力を入れて取り組んでいる事
町の薬局薬剤師としてだけではなく、学校薬剤師としての仕事にも力を入れています。学校薬剤師としては、幼稚園・小学校・中学校などを訪問し、飲料水の検査やプールの水質検査、授業中の教室中の二酸化炭素の検査、騒音や明るさや黒板の色調の検査、調理上の検査、ねずみやゴキブリなどの害虫の調査を行っています。また先生方を対象にノロウイルスなどへの対策の説明会を行ったり、生徒さんを中心に薬物乱用防止のお話をさせていただいたりしています。

★心に残ったエピソード
日常のお薬を渡すということの中で、薬を飲む時間や数や飲み方についてお話するのは当たり前なのですが、お話の最後に患者様から「ありがとうございました。」とか「安心しました。」と言われると、こちらも少しホッとします。

★現場の課題
現在、薬剤師が患者様に対してお話ししている中で、患者様に聞かなければいけないことが色々あり質問を強いられるのですが、患者様の方からお話しをしてもらい、それを聞いて、それに対して答えていく形に戻っていくと良いと思います。そのためには現場の薬剤師として患者様の顔色を見ながら、お話を聞き、患者様の求めている答えに対して的確に答え、最後には安心して帰っていただけるような状態を作りたいです。
 
 

 
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