健康ライブラリー

健康ライブラリー 2020年1月5日

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●教えてドクター 
★1月のテーマ「婦人科と漢方」

名古屋大学病院 産婦人科准教授 梶山広明 先生

西洋医学と漢方医学の違いを申し上げますと、薬の成り立ちは植物を主体とした天然物に由来していますが、その物質をどんどん追求し単離したものが西洋医学で、それを全体としては精製せずに生薬を生かして成り立っているのが漢方医学です。要するにピュアな物を用いるか全体として用いるかという違いがあります。西洋医学には検査があります。検査を一言で表しますと数字と画像です。そこで異常があると診断がつき、診断に基づいて治療ができます。これが西洋医学の特徴です。逆に漢方医学が用いられる場合は、症状はあるけれども異常が見つけられないというケースです。原因がある程度はっきりしている場合は、感染症に対しては抗生剤を使用する、ホルモンが低下している場合にはホルモンを補うなど、西洋医学の方が適しています。原因がはっきりしていないけれど症状があるという場合は漢方医学が適しています。また西洋医学と漢方医学を併用する場合もあります。漢方医学にも検査を行う場合がありますが、基本的には体力がありそうか無さそうかを確認したり、体の内部の代表として舌を見たり、といったようなことを行います。体は全体として、内臓や精神的な機能が同調してうまく調和をとって活動しているというのが良い状態です。西洋医学と漢方医学には分析的に行うか、全体を整えていくかという違いがあります。漢方では「気」、(元気の「気」、やる気の「気」)、「血」(けつ)(血液の「血」)、「水」(すい)というものを過不足なく滞りなく体中をうまく巡らせることによって内臓全体を調和させていくというのが目標になります。
 
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
成田町子 さん(豊明市 健康福祉部 健康長寿課 生活支援コーディネーター)

★力を入れて取り組んでいる事
高齢者の介護予防を推進することに力を入れています。健康を維持するポイントとして運動、栄養、睡眠、会話、が大切なものとして挙げられます。これらを同時にクリアするものはないかな?と常日頃から考えております。高齢者の嚥下機能の低下による栄養不足や、誤嚥性肺炎による入院が最近非常に増加しています。つまりフレイル対策が課題です。そこで現在「ミュービングDAM」というものを活動に取り入れています。「ミュービングDAM」というのは、耳で歌や音楽を聴き、口で歌い、目で振り付けを見て、体で踊るという動作を同時に行うものです。昔懐かしの歌謡曲を使いますので、昔の思い出話で会話が弾んでとても楽しい体操です。こうした活動は嚥下機能訓練としても最適なものであると思っていますし、認知症予防効果もかなり有効だと考えております。「ミュービングDAM」を活動に取り入れるために、体験として100人の方に「音楽健康サポーター養成講座」を受講していいただいて、良さを知ってもらうことから始めています。そして現在開催している 「ミュービングDAM」の会場をご案内し、参加者を促しているところです。さらに教室を開設するためにボランティアの方々に「音楽健康指導士準2級」という資格を取っていただいています。そして各教室で指導者として活躍していただくために現在研修を実施しているところです。ボランティアの方々は皆65歳以上の方ばかりですが、これは無理なく、楽しく、指導できる活動であると私は思っておりますので就労に結び付けたいと考えています。

★心に残ったエピソード
声がかすれて10年も病院に通っていた方が、最近になってお医者さんから「治らない」と言われてしまいました。私としては嚥下機能訓練の方法を教えたり、「ミュービングDAM」の中の一つである「スポーツボイス」というものを勧めたりしました。そうしましたら、何カ月か後に「サロン活動のコーラス発表会に参加できました。」と、とても嬉しそうな顔で報告がありました。自信を取り戻したのだと思います。もう一つの嬉しいエピソードは「健康カラオケサポーター養成講座」を受講した方の中にコーラスの講師がいらっしゃり、「ミュービングDAMはすばらしいので是非サロンに取り入れたい。」と申し出があったことです。介護予防として歩いて行ける範囲に自由に参加できるまちかど運動教室を多数開催しています。一回に20人から200人の方の参加者がありまして大盛況です。そこで行われている「ミュービングDAM」の中の一つ、「スポーツボイス」は嚥下機能に非常に良いと私は思っています。
 
 

 
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