健康ライブラリー

健康ライブラリー 2019年10月20日

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●教えてドクター 
★10月のテーマ「ゲノム医療」

名古屋大学 医学部附属病院 化学療法部教授
安藤雄一 先生

がんゲノム医療が抱えている課題ですが、現在遺伝子パネル検査が適用となる患者さんは標準治療の効果が無くなって、他の治療も無い方となります。10人に1人あるか無いかと言うと、とても少ない印象ですが、実は治療が無い方にとっては、10人に1人であっても、治療につながる可能性があるというのは朗報だと思います。課題を大きく二つ挙げたいと思います。一つ目の課題は、見つかった遺伝子の異常や変化に対して効果を期待できそうな候補薬があっても、それが今の保険制度では使えない場合があることです。開発中の治療であったり、他のがんでしか承認されていなかったり、そういった制度上の問題です。治験に入れれば良いのですが、適用外の使用になる場合には色々な制度がありますので、そのような制度を使ってなんとか薬を使いたいと考えます。二つ目の課題は、遺伝性腫瘍です。がんに関係する遺伝子の変化のはずのものが、実は生まれながらにして持っている遺伝子の変化で、それががん細胞にも含まれているため、パネル検査で同時に見つかることがあるのです。これは、患者さんだけにとどまらず、患者さんの親やお子さんやご兄弟といった親族の方にも関係します。ゲノム情報は個人情報ですから、こういった情報をどのように管理していくか、どのように伝えるかといった点が問題になります。そういった遺伝子を持っていると全員ががんになるわけではなく、がんになりやすいという性質という意味なのですが、その患者さんや親族の方にとっては重要な意味を持っています。がんゲノム医療を行う病院には遺伝カウンセラーといって、カウンセリング専門の方がいらっしゃいますので、そういった方にカウンセリングをしていただくこともできます。
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
長谷川友之 さん(ニッセイ 代表取締役社長)

★力を入れて取り組んでいる事
「健康優良法人」には会社ぐるみで従業員の皆さんが健康になるための活動に取り組んでいる会社が選れます。我々もブラザーグループの一員として、積極的に健康になるための活動に取り組んでいるということで選ばれました。具体的には毎年10月~11月位の2ヵ月間を健康生活月間としまして、メタボ対策としてライザップさんによる講習会を実施したり、メンタルヘルスの為のストレスチェックをしたり、禁煙を促進するための講習会を実施したりしております。こういった活動全体が認められたのではないかと思います。禁煙に関しては、喫煙率の高さとストレスには関連性がかなりあるのではないか、ということで、両方の面から対策に取り組んでいます。

★心に残るできごと
私はブラザードイツの社長で、ドイツに住んでいたことがあります。ドイツ人の働き方はかなりフレックスタイムを利用していて、本来朝8時始業のところ、6時から会社に来て働いている人も非常に多いです。そして午後3時には仕事を終えて帰ってしまいます。その後例えばゴルフを2ラウンド行ったり、スポーツに取り組んだり、とにかく1日をエンジョイして過ごすという姿勢に感心した憶えがあります。こういったドイツ人の生活のようなゆとりを日本人はもっと学ぶべきではないかと思いました。

★今後の課題
今世の中は厳しく、貿易摩擦等ありますが、私共ブラザー工業の創業の精神の一つに「愉快な工場を作ろう」というものがあります。やはり「愉快な会社」、「皆が行きたくなるような会社」が理想だと思います。多くの人は24時間の内、8時間位は会社にいるわけなので、人生の1/3が面白くなかったら、人生自体が面白くないだろうと思います。
 
 

 
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