健康ライブラリー

健康ライブラリー 2019年9月1日

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●教えてドクター 
★9月のテーマ「強迫症」

名古屋大学大学院 医学系研究科 精神医学分野 准教授 
木村宏之 先生

強迫症というのは、健康な人の心の中にもある完璧主義や潔癖症のようなものが、行き過ぎてしまった病気のことを言います。強迫症には大きく二つの特徴があります。一つは強迫観念です。これは繰り返しどうにもならない考えが起こってくるものです。もう一つは強迫行為です。これは、どうにもならない考えによって高まった不安を軽減するために、同じ行動を何回もしてしまう行為です。健常者でも、時々は、心の中で考えることが、生活に支障が出るほど強い症状になってしまいます。近年、強迫症の方が増加傾向という調査結果は、現状ではまだありません。ただ、日常の診療をしていますと、精神科の敷居が少し下がってきており、様々な患者さんが受診する中で、少しずつ強迫症の方が増えていると感じています。このような強迫症の有病率は男性も女性もほぼ同等だと言われます。強迫症により日常生活に支障が出たり、食欲や睡眠等に影響が及んだりした場合は、専門医を受診されると良いと思います。
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
戸塚圭介 さん(日本音楽健康協会 理事長)

★力を入れて取り組んでいる事
「日本音楽健康協会」の最も大きな目的は歌と音楽の研究を致しまして、これを世の中に知らしめていくことで、我が国が直面する超高齢社会の課題解決に寄与することです。具体的には「音楽健康指導士」という資格認定や認定実現に向けての人材育成を行っています。この活動を根幹として同時に高齢者の社会参加を促すことも大きな目的の一つとしています。

★心に残るできごと
カラオケというと、カラオケ=お酒、カラオケ=不健康といったイメージがどうしてもあります。このカラオケのイメージを世の中から払しょくし、カラオケ=健康というイメージを作ることが非常に大変でした。歌を歌うということは当然ストレスの解消になろうかと思いますが、この健康効果ということを大学や色々な団体の方々と研究をすることが第一番目に必要でそれを実施しておりました。厚労省が推奨している、運動、口腔、認知というそれぞれの領域から、歌の力、音楽の力がどのように効果を示すかということを研究しました。

★今後の課題
高齢者が社会に参加するということが一番重要な課題だと思っています。閉じこもってしまったり引きこもってしまったりする高齢者が多い中で、社会に出てくるということを歌の力、音楽の力で何とかできないだろうか?ということが第一義です。定年退職後の男性をみますと、やはり閉じこもり引きこもってしまうケースが非常に多く、それによって認知症の発症率も高くなります。できる限り外に出て人と触れ合ってもらう、コミュニティーを作ってもらうということを積極的に行ってもらうために、歌や音楽といったしかけが必要となってくると思っております。
 
 

 
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