健康ライブラリー

健康ライブラリー 2019年8月18日

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●教えてドクター 
★8月のテーマ「慢性疲労症候群」

愛知医科大学 医学教育センター長/愛知医科大学メディカルクリニック総合診療科
伴 信太郎 教授

かかりつけの先生の診断で10人に1人位は、甲状腺の機能が低いとか、ミネラルのバランスがくずれている等、治療可能な原因がわかることがあります。残りの9割の患者さんは「うつ病ではないか?」ということで精神科等に紹介されます。うつ病の方や慢性疲労症候群の方も、うつ病に対するお薬で良くなる場合もあります。それは慢性疲労症候群にうつ状態が合併している場合もありますし、実はうつ病そのものだったという場合もあります。その治療で良くならない場合、できたら早めに慢性疲労症候群の可能性を疑っていただきたいです。近くのかかりつけの先生から慢性疲労症候群の専門施設に紹介していただいて、そこから飲み薬等の治療的介入のアドバイスを受け、かかりつけの先生にお薬をだしてもらうという形が良いのではないかと思います。慢性疲労症候群は病気ではなく自己責任と思われがちで、責められ、気分的に落ち込んでしまうこともめずらしくありません。皆さんに当てはまるわけではありませんが、人間は体を動かさないと機械がさびてくるように衰えてしまいます。ちょっとしたヨガの動き等の運動を体調と相談しながら行うと良いと思います。ところが、それをやりすぎるとかえって疲れが倍加して寝込んでしまいます。その匙加減が難しいところです。
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
池田京子 さん(おりど病院 看護師 入退院支援室 副室長)

★力を入れて取り組んでいる事
病気でこちらへ入院された場合、帰る場所が生活の場となるので、なるべく早い時期に治療を終えて帰っていかれるように力を入れています。看護師をベースにしながら患者さんに向き合う入退院支援の良いところは、医療的な場面のことと、その先のこれからの生活を考えた時に、「ここに気を付けると次の入院が遠のきますよ。」、もしくは「入院しなくても済みますよ。」というアドバイスができるところです。

★心に残るできごと
末期がんの患者さんで自宅退院をご希望されていた方が、ご希望にそえずに、退院の準備中の退院予定の前日にお亡くなりになられました。これは苦い経験になっております。嬉しい経験としましては、高齢の方は誤嚥性肺炎を繰り返す方が多いですが、そういった患者さんが入院された時にプライマリーナースの方と直接相談しながら体位の工夫を行っていました。(プライマリーナースというのは各病棟に在中し、入院から退院までをメインで看ていく専属の看護師です。夜勤もありますし、受け持ちの無い休みの時もありますが、一人の患者に一人のプライマリーナースが担当でついております。)また言語療法士の方が介入していらっしゃいましたが、食べる時の一口の量を加減したり、食べるタイミングを改善したりと工夫していました。誤嚥性肺炎を繰り返す方はあごが上がった状態でお食事を召し上がることが多いので、食事をする時の姿勢にも指導を加えました。それを施設の方にも説明、ご指導をさせていただくことにより、その患者様には再入院が無く肺炎の症状も落ち着いているようです。チームの輪がうまく作用したと思える時は皆が嬉しく感じます。

★今後の課題
当院がおかれている地理的なこともありますが、名古屋や豊田へお仕事に行かれている方のご家族が、高齢でご入院される場合が比較的多いです。身寄りが無く自宅での介護ができないため入院されている方も中にはいらっしゃいます。家族の方が仕事をしている関係で、なかなか面談したくても来ていただけず、面談の日時の調整等で苦労しています。
 
 

 
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