健康ライブラリー

健康ライブラリー 2019年8月4日

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●教えてドクター 
★8月のテーマ「慢性疲労症候群」

愛知医科大学 医学教育センター長/愛知医科大学メディカルクリニック総合診療科
伴 信太郎 教授

慢性疲労症候群という病名は広く知られていないので、診断をつけるのは難しいですが、慢性疲労症候群の患者さんは少なくないと思います。具体的にはインフルエンザにかかったり、徹夜をしたりという事がきっかけになって、それまで元気だったのに具合が悪くなって寝込み、寝込んだ後快復しないといった方の中に慢性疲労症候群の方が含まれます。診断基準としては6ヵ月以上ひどい疲れが治らないという状態です。慢性疲労症候群という病気はなかなか皆さんに認識されていません。疲労というと、「誰でも疲れるのは当たり前」とか、「疲れを言い訳にして怠けている」といった扱いを受ける場合も少なくないことが問題です。慢性疲労症候群は概念としてはすでに70~80年前にイギリスで言われています。その頃は筋痛性脳脊髄炎という名前で言われていました。新しく慢性疲労症候群と命名されて、本格的な研究が始まったのは1980年代の前半です。病気の症状がうつ病と似ているので、多くの患者さんが心療内科や精神科に行ってうつ病として治療されています。うつ病の方は抗うつ剤を飲めば良くなる方が多いのですが、慢性疲労症候群の方はうつ病の薬を飲んでも良くならず、かえって悪くなります。しかしそのまま抗うつ剤を続けられ、良くならないという方が少なくありません。
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
杉本 伉 さん  (高齢者の地域活動を支援する「まめクラブ」代表 

★力を入れて取り組んでいる事
もともと私は病院の医療事務の仕事に関わっていまして、病院の待合室を見ると、「超高齢社会に入ってお年寄りの居場所が不足しているんだなあ。」ということを実感しました。そこで「笑いが健康に良い。」ということから、学生時代の友人で落語が得意な仲間にも手伝ってもらいながら、高齢者が楽しく集えるイベントの企画を続けております。「コミプラ昼席」と銘打ったイベントを毎月1回させていただいておりますが、ボランティアの皆さんのお力添えもあって、かれこれ5年が経ちます。そして最近では四半期に1回ですが、病院内の1階フロアを使った、「友結祭」というイベント企画をさせていただいております。

★心に残るできごと
お年寄りが野外に出て楽しめるウォーキング等の企画も行っているのですが、「老化の予防は足が基本だよ。」というお年寄りの言葉が心に響きました。やはり歩くことが生き生きと活動するための原点であり元気の素です。このようなことがきっかけで、「地域の皆さんの筋力アップができるといいね。」ということになり、病院の整形外科の先生が作られた元気アップ体操のプログラムを、皆さんにもおなじみのペッパーロボットに組み込んで、体操教室をさせていただいているところです。

★今後の課題
核家族が多い時代に入って、これから孤独なお年寄りが益々増えてくることが懸念されています。家に閉じこもらないで社会参加ができる環境がとても大切なのではないかと思っております。多くのお年寄りが独りぼっちにならないで、仲間と笑ったり、歌ったり、スポーツしたり、一緒に楽しめるような地域の拠り所を増やしていきたいと考えております。そしてできれば安心の拠り所である病院とも連携しながら、元気な若者も巻き込んで町づくりにも目を向けたいと考えているところです。
 

 
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