健康ライブラリー 2019年7月28日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア
●教えてドクター 
★7月のテーマ「地域医療と医学教育」

名古屋大学医学部 地域医療教育学講座
岡崎 研太郎 先生

最近では全国の医学部に地域枠というものが設置されていまして、県や市町村等から就学補助金が貸与され、卒業後一定の年数を県や市町村が指定する医療機関で働いてもらうという枠組みがあります。そういった枠組みで、まず地域社会で役立つ仕事を行うには、病気を診る、病気を診断する、病気を治療するというだけではなくて、患者さんをその病気を持った一人の人間として見る、あるいはその患者さんの周辺のご家族や友人、あるいは患者さんが生まれ育っている今住んでいる地域・コミュニティーをまるごと見ていくことができるドクターであって欲しいと思っています。患者さんの抱える病気について考えるとき、患者さん個人の中に問題があるだけではなく、その人を取り囲む要素や地域に何らかの原因が隠れている場合もあります。ですから、その地域独特の問題にも目を向けながら地域の健康を維持・向上させていくという方向でリーダーシップを発揮するというアプローチが重要になってきます。地域の自治体とも協力して、その地域全体の健康レベルを高めていくことまで視野に入れて活動していけるようなドクターを育てることができれば言うことはないと考えております。
 
 
●医療コラム ~熱中症に警戒を!
論説室 後藤 克幸 

毎日暑いこの季節、健康を維持するには熱中症対策が重要です。熱中症で救急搬送される人の統計を見てみますと、搬送された人の半数は65歳以上の高齢者。お年寄りは暑さに対する体の調節機能が、若い世代の人に比べて低下している傾向があり特に注意が必要です。
体温の調節能力がまだ十分に発達していない乳幼児も要注意です。お年寄りや幼い子ども達の体調の変化に、どうか周りの人が、注意深い気配りをお願いします。

熱中症になると、初期には、気分が悪い、立ちくらみがする、筋肉がつる等の症状が出ます。さらに症状が進んでいきますと、吐き気や頭痛、体がだるくなる等の症状が。この段階で、早めに涼しい所へ移動し、ぬれタオル等で体を冷やし、十分な水分補給をお願いします。さらに重症になると、体がほてって熱くなり、まっすぐに歩けなかったり、筋肉が痙攣したり、意識がもうろうとする等の症状に陥ります。この場合はすぐに救急車を呼んで医療機関に搬送していただくことが必要です。

雨の日は気温があまり高くないので「少し安心してもいいのかな?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、答えはNOです。気温は高くなくても湿度が高いと熱中症のリスクは高くなります。過去の例では、気温が35度で湿度が40%前後の日と、気温が33度で湿度が60%以上だった日を比較した場合、気温が35度の日より33度の日の方が、熱中症で救急搬送された人数が2倍に及ぶ多さだったということです。湿度が高い日は、汗が乾きにくく体に熱がこもりやすいため、熱中症のリスクが高いのです。

熱中症の発生場所で最も多いのは、どこだと思われますか?実は住宅の中です。2番目が学校や保育園等の教育機関、3番目が屋外の公園や駐車場、という順です。室内でも熱中症に対する十分な注意が必要です。是非、扇風機やエアコンで温度や湿度の管理をしっかり行ってください。そして、こまめに水分補給を行い、着ている衣服も通気性の良い衣服で涼しい恰好でお過ごしください。大量に汗をかくようなスポーツをしている状況では、汗の中の塩分も失われますので、塩分の補給も大切です。スポーツドリンクと共に、家庭では適量のお味噌汁等も熱中症の予防には効果的と専門医は話しています。

これからの季節は、ぜひ熱中症から身を守るための対策をぬかりなく進めて下さい。
 
 

 
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