健康ライブラリー 2019年7月14日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア
●教えてドクター 
★7月のテーマ「地域医療と医学教育」

名古屋大学医学部 地域医療教育学講座
岡崎 研太郎 先生

今は核家族のご家庭が多く、たとえ高齢のおじい様やおばあ様がいたとしても、施設に入っていたりして、身近には高齢者の方がいないという学生が多くいます。そうすると、死というものが若い医師には非常に縁遠いものとして感じられ、実感してもらうことが難しくなっています。一方で、高齢者においては治療の方針が一つに定まらないことも多く、臨床現場では私たちも日々悩みながら診療をおこなっています。こうした現状を踏まえ、医学教育においても、知識を教員から学生へ一方向的に伝えていくという知識伝達型に代わり、実際に正解の無い問いに対して一緒に考えていくという参加型、実習型の教育の時間が増えています。例えば施設に入所している90歳の男性が38度の熱を出したという場合、このまま施設で限られた抗菌薬を使って治療するのか?それとも一旦病院に移してもう少し強い治療をしていくのか?肺炎でさらに呼吸が苦しくなった時に、人工呼吸器につなぐのか、つながないのか?こうした問いには、はっきり言って「これが絶対に正しい。」という正解は無いと思います。しかし今の医学生は、大学入試から国家試験に至るまで、唯一の正解があってそれを探すというトレーニングをずっと受けてきています。医療の現場ではそうではなくて、色々な正解の可能性がたくさんある中で、ご家族やご本人と相談し、決断して何かをしなければなりません。それが正しいという保証はどこにも無いのですが、覚悟を持って決断をする能力や態度を養っていくためにも、参加型、実習型の学習が必要になってきています。模擬患者さんにも協力してもらい、現場に即した教育が行われています。
 
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
野田 雄二 先生 (名古屋市薬剤師会 会長)

★力を入れて取り組んでいる事
私たち薬剤師は、薬局の中で行なうお薬の指導や情報提供だけではなく、各区で行われている区民祭りや夏祭りのような場所で、皆様の様々なお薬のご相談や健康についてのご相談を受ける活動を行っております。その他最近テレビでも話題になっている、薬物乱用の防止活動も行っております。名古屋市薬剤師会は、そういった地域への貢献活動を通じて、市民の皆さんへより安心でより安全な情報提供を行うことに力を入れています。特に力を入れていこうと思っている事は、病院にお勤めの薬剤師の先生方や薬科大学の先生方、各区の保健センターにお勤めの行政の先生方、そういったオール薬剤師の力をあわせて、情報を共有して様々な職種の方にも薬剤師としての知識や経験や情報を伝える事がこれからのポイントになるのではないかと思っています。できるだけ薬剤師会として組織だって薬剤師の活動ができないか、ということをポイントに考えております。

★今後の薬剤師像
様々な職種の方々と連携して、情報共有をして、しかも情報発信も続けて、地域社会の皆様に信頼されて、気軽にいつでもどんな相談でも受けることができる、いわゆる「かかりつけや薬剤師」というのが私たちの今後の薬剤師像ではないかと考えております。今、在宅医療は「地域包括ケア」という考え方に沿っていますので、本当に「かかりつけ薬剤師」という考え方が大事なテーマではないかと思っております。
 
 

 
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