健康ライブラリー

健康ライブラリー 2019年7月7日

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●教えてドクター 
★7月のテーマ「地域医療と医学教育」

名古屋大学医学部 地域医療教育学講座
岡崎 研太郎 先生

少子高齢化と言われて久しいですが、その中でも少し田舎の方は、少子高齢化の最先端を走っていると言っても過言ではありません。小学校からどんどん児童数が減っていき、高齢者はどんどん増えています。田舎では若年者だけではなく、医療者も少ないという状況にあります。特に医師は偏在が問題となっており、都会にはたくさんいますが、少し田舎の方に行くと非常に少ないのが現状です。少ない医療者で多くの高齢者を診るということになりますと、「私はこの分野の専門家なので、専門分野の病気だけを診ます。」というやり方では難しいのではないかと思います。それよりも「幅広く何でも色々な医療問題や健康問題に対して対応しますよ。」という医師の養成が求められています。このような医師には「総合診療医」や「家庭医」あるいは「プライマリケア医」など様々な呼び方があると思いますが、こうした医師が切実に求められていると認識しています。医師が、高齢者一人一人が持ついくつもの問題を総合的に見るには、医学的な知識や診断をつける能力はもちろん、さらに加えてコミュニケーション能力、患者さんに対して「この人はどんな方だろうか?」とみるような人に対する好奇心、そして地域におけるリーダーシップ、このような点が重要になってくるのではないかと考えています。地域の方を元気づける企画力等もあればなお良いと思います。私たちの講座では、そういった総合診療医を育成するための医学教育にも力を入れています。
 
 
●スマイルリポート ~地域の医療スタッフ探訪
鈴村一也 さん(しばいぬ海賊団・団長)

★力を入れて取り組んでいる事
我々はインプロという即興演劇の活動をしておりまして、ショーやワークショップを様々な場所で行っています。インプロワークショップには教育関係や保育関係、医療関係の方もいらっしゃいます。チーム内のコミュニケーションや創造性・チームビルディングにとても役立つということで、学ばれる方が多いようです。

★心に残るできごと
参加して下さった方で、「自分は普段はとてもアグレッシブな性格の人間だと思っていたけれども、インプロのゲーム(全く台本が無く、前の人の言葉からどんどんストーリーを作っていく練習等があります)を通して、どうやら自分は先に進むのをすごく恐れていたんだな、と気づいて驚きました。」とおっしゃった方がいました。こういった気づきの瞬間に立ち会えるのもこのインプロ(即興演劇)の魅力なのかなと思っています。最近では、医療分野でもインプロワークショップが行われています。先日ちょうど名古屋大学の鶴舞キャンパスで、愛知にある4つの大学の医学部の学生さんが集まり、春の交流会が行われました。その中のインプロワークショップを、直井玲子先生(青山学院女子短期大学子ども学科)と我々しばいぬ海賊団が担当しました。インプロには「ステータス」という考え方があります。立場(ステータス)が上でいる方が楽だったり、下でいる方が楽だったりする人がいて、立場が上でいたい人同士は、やはりぶつかります。例えばお医者さんが上のステータスで、患者さんも上からいきたい人だった場合、衝突がおこります。インプロではあえてそのステータスを変えてみる体験をしてもらって、日常生活でもお互いのステータスを下げたり、上げたりすることで良好な関係、対等な関係を作れるようにしています。

 
 

 
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