●教えてドクター
★5月のテーマ「緩和ケア」
名古屋大学医学部 化学療法部
杉下 美保子 先生
緩和ケアとは重い病を抱える患者さんや、そのご家族一人一人の体や心の様々な辛さを和らげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアです。緩和ケアの対象はがんというイメージがあるかと思いますが、生命を脅かす病気すべてが対象です。緩和ケア病棟、ホスピス、一般病棟における緩和ケアチームの活動が広がっております。現在では様々な場面において切れ目のない適切な緩和ケアを行っております。緩和ケアはがんと診断されたその時から開始されます。学術的な報告によりますと、早期からの緩和ケアは生存期間を延長する可能性があるとのことです。早期から緩和ケアを受けた患者さんは生活の質が良くなり、心の負担も改善し、さらに寿命が長くなったというかなりインパクトのある結果がでました。実際には、2015年にがん拠点病院で遺族の方に対する調査を行わせて頂いたところ、「苦痛なく過ごせたか?」という問いに対し、半分しか「苦痛が取れた」という答えが返ってきませんでした。現実にはまだまだ痛みをこらえながら闘病してらっしゃる患者さんも多いと認識されております。
名古屋大学医学部 化学療法部
杉下 美保子 先生
緩和ケアとは重い病を抱える患者さんや、そのご家族一人一人の体や心の様々な辛さを和らげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアです。緩和ケアの対象はがんというイメージがあるかと思いますが、生命を脅かす病気すべてが対象です。緩和ケア病棟、ホスピス、一般病棟における緩和ケアチームの活動が広がっております。現在では様々な場面において切れ目のない適切な緩和ケアを行っております。緩和ケアはがんと診断されたその時から開始されます。学術的な報告によりますと、早期からの緩和ケアは生存期間を延長する可能性があるとのことです。早期から緩和ケアを受けた患者さんは生活の質が良くなり、心の負担も改善し、さらに寿命が長くなったというかなりインパクトのある結果がでました。実際には、2015年にがん拠点病院で遺族の方に対する調査を行わせて頂いたところ、「苦痛なく過ごせたか?」という問いに対し、半分しか「苦痛が取れた」という答えが返ってきませんでした。現実にはまだまだ痛みをこらえながら闘病してらっしゃる患者さんも多いと認識されております。