●教えてドクター
★4月のテーマ「大腸がんの最新情報」
名古屋大学医学部 消化器外科
中山吾郎 先生
大腸がん治療の基本は、がんを切除することです。大腸の壁は5層構造で、がんは一番内側(便が通る側)から発生します。内側の1層目から2層目の浅い部位に止まる早期がんでは内視鏡で取ることができる場合もあります。それより深いところまで進んだがんでは、原則として手術が必要となります。手術の方法はがんの部位や進行の度合いにより異なりますが、近年、従来のお腹を大きく開けて行う開腹手術に加えて、腹腔鏡での手術が普及してきました。腹腔鏡手術の利点には、創が小さい、術後の痛みが少ない、入院期間が短いことなどがありますが、これには熟練した外科医・チームで行うことが大前提となります。さらに昨年4月より手術支援ロボットを用いた腹腔鏡手術が直腸がんの治療として一部の施設では保険で認められるようになりました。大腸がんは、きちんと切除ができれば、周囲のリンパ節に転移がない場合(ステージI~II)には約8~9割、リンパ節に転移があった場合(ステージ III)でも6~8割弱の方が治癒を期待できる病気です。専門医から手術を勧められた時には、きちんと説明を聞いた上でしっかり手術を受けられた方がよいと思います。
名古屋大学医学部 消化器外科
中山吾郎 先生
大腸がん治療の基本は、がんを切除することです。大腸の壁は5層構造で、がんは一番内側(便が通る側)から発生します。内側の1層目から2層目の浅い部位に止まる早期がんでは内視鏡で取ることができる場合もあります。それより深いところまで進んだがんでは、原則として手術が必要となります。手術の方法はがんの部位や進行の度合いにより異なりますが、近年、従来のお腹を大きく開けて行う開腹手術に加えて、腹腔鏡での手術が普及してきました。腹腔鏡手術の利点には、創が小さい、術後の痛みが少ない、入院期間が短いことなどがありますが、これには熟練した外科医・チームで行うことが大前提となります。さらに昨年4月より手術支援ロボットを用いた腹腔鏡手術が直腸がんの治療として一部の施設では保険で認められるようになりました。大腸がんは、きちんと切除ができれば、周囲のリンパ節に転移がない場合(ステージI~II)には約8~9割、リンパ節に転移があった場合(ステージ III)でも6~8割弱の方が治癒を期待できる病気です。専門医から手術を勧められた時には、きちんと説明を聞いた上でしっかり手術を受けられた方がよいと思います。