健康ライブラリー

健康ライブラリー 2019年4月21日

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●教えてドクター 

★4月のテーマ「大腸がんの最新情報」

名古屋大学医学部 消化器外科
中山吾郎 先生

大腸がん治療の基本は、がんを切除することです。大腸の壁は5層構造で、がんは一番内側(便が通る側)から発生します。内側の1層目から2層目の浅い部位に止まる早期がんでは内視鏡で取ることができる場合もあります。それより深いところまで進んだがんでは、原則として手術が必要となります。手術の方法はがんの部位や進行の度合いにより異なりますが、近年、従来のお腹を大きく開けて行う開腹手術に加えて、腹腔鏡での手術が普及してきました。腹腔鏡手術の利点には、創が小さい、術後の痛みが少ない、入院期間が短いことなどがありますが、これには熟練した外科医・チームで行うことが大前提となります。さらに昨年4月より手術支援ロボットを用いた腹腔鏡手術が直腸がんの治療として一部の施設では保険で認められるようになりました。大腸がんは、きちんと切除ができれば、周囲のリンパ節に転移がない場合(ステージI~II)には約8~9割、リンパ節に転移があった場合(ステージ III)でも6~8割弱の方が治癒を期待できる病気です。専門医から手術を勧められた時には、きちんと説明を聞いた上でしっかり手術を受けられた方がよいと思います。
 

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

小柳津 享 さん (新城市民病院 リハビリ課)

◆力を入れて取り組んでいる事
理学療法士という立場で現在は介護予防事業や地域リハビリテーションに対して力を入れさせていいただいております。介護予防事業としては地区公民館への出前講座という形で、筋力トレーニングの指導やお話をさせていただいております。地域リハビリテーションとしましては、一つは個別支援ケア会議に出席させていただき、要介護状態になる前の方達に対して、個別の提案ができるように理学療法士の立場から助言をさせていただいております。もう一つはリハビリテーション職のいないデイサービスの職員さんへの技術支援ということで、市の療法士のネットワークを利用して派遣し、支援させていただいております。昨年度は地域のリハビリテーション職と健康づくりリーダーの方と協力し、「いいじゃん新城 キラキラ☆彡体操」という筋力訓練や口腔訓練を中心とした体操のDVDを作成し、ミニデイサービスで使用させていただいております。

◆心に残るエピソード
出前講座では定期的に行く地区もあり、参加してくれる方達の生活が維持されていたり、「運動しないといけない。」という意識を持っていただいていたりすることを聞くと、行って良かったなと感じます。作ったDVDに対しても、「DVDに出ていた人だね。」というように声をかけていただくこともあり、DVDを使っていただけているなと嬉しく感じます。また、デイサービスの職員さんからは、「技術支援で教えてもらった事が現場で役に立っているよ。」とか「助かるよ。」という生の声をいただける事があり、技術支援に行った意義をとても強く感じます。

◆現場の課題
地区によって、健康教室を行っている所と行っていない所の差が大きいと感じております。また出前講座に行っている地区でも、1年後に体力がどのように変わっているかという計測のため、体力測定を今後行っていけたらと考えております。私の理想としましては各地区に健康体操を指導できる方を養成して、地区ごとの健康意識を高めていくことができればいいなと考えております。ただ現状としましては、指導できる方を養成するための勉強会の開催や、その後のフォローアップ体制が整っていない事が課題だと感じております。またそれに加えまして、出前講座に参加できていない人達に対して、どのようにしたら参加していただけるかを考えていかなければならないと感じております。こういった課題は私一人の力では解決できない問題ですので、市全体の問題として捉え、多くの人達と協力し、様々な社会資源等を導入しながら、行っていかなければならないと考えております。
 
 

 
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