●教えてドクター
★4月のテーマ「大腸がんの最新情報」
名古屋大学医学部 消化器外科
中山吾郎 先生
大腸がんの症状は、がんで腸が狭くなり便が出にくくなる症状(閉塞症状)、がんが便で擦れて血が出る症状(出血)、がんの圧迫による腹痛、他の臓器にがんが入り込んだり(浸潤)、転移したりして生じる症状など様々です。但し、多くは進行するまで症状が出にくく、早期がんでは症状がないことがほとんどです。また、大腸は右下腹部の盲腸から始まり、時計回りに上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、そして肛門につながる約1.5~2mほどの長い消化管です。このため部位によって症状の出やすさが違います。盲腸や上行結腸のがんでは、通過する便が軟らかいため腫瘍で便が出にくくなる閉塞症状が出にくく、また、肛門まで距離があるため出血にも気付きにくい場合があります。一方で、S状結腸や直腸などの肛門に近い部位のがんでは、比較的症状が出やすい場合が多いのですが、総じて早期がんでは症状がないことがほとんどです。早期診断には、定期検診が重要ですが、胃がんの検診のようにバリウムを飲む検査(造影検査)や内視鏡で観察する検査が大腸では行いにくく、一般的な大腸がん検診では便に血が混ざっていないかをみる検査(便潜血検査)が行われています。便潜血検査は簡便にできる検査である一方で、造影検査や内視鏡検査に較べると精度はさほど高くありません。血液反応出た場合(陽性)でも必ず大腸がんであるわけではなく、また反応がない場合(陰性)でも絶対に大腸がんはないと診断できるわけでもありません。それでも定期検診をしっかり受けること、できれば1~2年に1回は造影検査や内視鏡検査を受けることが早期発見には重要であると考えます。
名古屋大学医学部 消化器外科
中山吾郎 先生
大腸がんの症状は、がんで腸が狭くなり便が出にくくなる症状(閉塞症状)、がんが便で擦れて血が出る症状(出血)、がんの圧迫による腹痛、他の臓器にがんが入り込んだり(浸潤)、転移したりして生じる症状など様々です。但し、多くは進行するまで症状が出にくく、早期がんでは症状がないことがほとんどです。また、大腸は右下腹部の盲腸から始まり、時計回りに上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸、そして肛門につながる約1.5~2mほどの長い消化管です。このため部位によって症状の出やすさが違います。盲腸や上行結腸のがんでは、通過する便が軟らかいため腫瘍で便が出にくくなる閉塞症状が出にくく、また、肛門まで距離があるため出血にも気付きにくい場合があります。一方で、S状結腸や直腸などの肛門に近い部位のがんでは、比較的症状が出やすい場合が多いのですが、総じて早期がんでは症状がないことがほとんどです。早期診断には、定期検診が重要ですが、胃がんの検診のようにバリウムを飲む検査(造影検査)や内視鏡で観察する検査が大腸では行いにくく、一般的な大腸がん検診では便に血が混ざっていないかをみる検査(便潜血検査)が行われています。便潜血検査は簡便にできる検査である一方で、造影検査や内視鏡検査に較べると精度はさほど高くありません。血液反応出た場合(陽性)でも必ず大腸がんであるわけではなく、また反応がない場合(陰性)でも絶対に大腸がんはないと診断できるわけでもありません。それでも定期検診をしっかり受けること、できれば1~2年に1回は造影検査や内視鏡検査を受けることが早期発見には重要であると考えます。