●教えてドクター
★4月のテーマ「大腸がんの最新情報」
名古屋大学医学部 消化器外科
中山吾郎 先生
近年、消化管がんは治療法の進歩や検診の普及により少しずつですが制御されている傾向にあります。その中で大腸がんまだ増加傾向にあり、大腸がんと診断された患者さんの人数(罹患者数)は2番目に多く(男性3位、女性1位)、死亡者数は最も多い(男性3位、女性2位)がんです。大腸がんは様々な要因が組み合わさって生じると考えられますが、多くは生活習慣と関わりがあるとされています。肉類の過剰摂取や野菜・果物の摂取不足、飲酒、喫煙、肥満などは大腸がん発生の危険因子とされています。また、一部の患者さんはご家族の病歴やご自身の病歴と関わりがある場合があります。同じ消化管がんの中で胃がんは減少傾向にありますが、これは胃がんの原因のひとつであるピロリ菌の除菌が進んだことが理由の一つと考えられます。一方、大腸がんでもその発生や進行に関わる遺伝子の異常が少しずつ解明されてきており、将来そういった遺伝子異常を制御できれば早期診断や治療に役立つ可能性もあります。しかし現状では、診断や治療への応用は限定的であり、また大腸がんの原因を減らす治療はないため、生活習慣の改善や検診による早期発見が最も重要であると考えます。
名古屋大学医学部 消化器外科
中山吾郎 先生
近年、消化管がんは治療法の進歩や検診の普及により少しずつですが制御されている傾向にあります。その中で大腸がんまだ増加傾向にあり、大腸がんと診断された患者さんの人数(罹患者数)は2番目に多く(男性3位、女性1位)、死亡者数は最も多い(男性3位、女性2位)がんです。大腸がんは様々な要因が組み合わさって生じると考えられますが、多くは生活習慣と関わりがあるとされています。肉類の過剰摂取や野菜・果物の摂取不足、飲酒、喫煙、肥満などは大腸がん発生の危険因子とされています。また、一部の患者さんはご家族の病歴やご自身の病歴と関わりがある場合があります。同じ消化管がんの中で胃がんは減少傾向にありますが、これは胃がんの原因のひとつであるピロリ菌の除菌が進んだことが理由の一つと考えられます。一方、大腸がんでもその発生や進行に関わる遺伝子の異常が少しずつ解明されてきており、将来そういった遺伝子異常を制御できれば早期診断や治療に役立つ可能性もあります。しかし現状では、診断や治療への応用は限定的であり、また大腸がんの原因を減らす治療はないため、生活習慣の改善や検診による早期発見が最も重要であると考えます。