健康ライブラリー 2019年3月3日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア

●教えてドクター 

★3月のテーマ「医学会総会の市民向け企画」

名古屋大学医学部 脳神経外科 教授
若林 俊彦 先生

医学会総会とは日本の医学会の中では最大級の学会でして、4年に1回開かれます。およそ120年前から開かれていますので、今回が第30回になります。およそ3万5千人のメンバーが集まると言われています。今回の医学会総会は名古屋国際会議場で開かれますが、同時開催で、その地域の市民に医療の様々な情報を提供しようということで、ポートメッセなごやを使って市民展示場を準備しております。医学の発展は日進月歩ですので、今どのような医療が広がっているのか、どのような企画が進歩しているのかを、市民の方々へ情報提供したいというのが市民展示のねらいです。すべての世代の方に対して開かれた市民展示です。小さな子ども達には将来の科学者や医療従事者になるべく体験コーナーを設置しています。また、働き盛りの方に対しては今の医療や診断がどのように展開されているか?健康予防管理にはどんなことが挑戦されているか?お年寄りに対しては介護・長寿等が今どのように考えられているのか?というようにそれぞれの世代に対してテーマを設けております。医療というと病気の時にしか考えられないという方々もいらっしゃいますが、実はそうではなくて健康管理・長寿医療というのは、健康だからこそ色々と考えるべき問題がたくさんございます。その点をこの市民展示で大きくテーマとして展開していきたいと考えております。生きているからにはやはり人生を楽しんでいただきたい、生きているからには大きな望みや希望をもって生きていただきたいということから、その希望や望みを叶えられるべく様々な支援や介護を考えて、長寿医療に対して大きな支援をしていければと考えております。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪

藤吉 春奈 さん(糖尿病・内分泌内科クリニックTOSAKI 管理栄養士)

◆力を入れて取り組んでいる事
糖尿病の治療は食事・運動療法が大切です。普段の行動を変えていただくには、具体的な例を示すことが重要だということを患者さんとお話していて何度も経験しました。例えば血糖値や中性脂肪が高い方に漠然と「炭水化物の摂りすぎに注意しましょう。」とお話しても実行できる方は少ないと思います。当院では「餃子1個でご飯一口分とほぼ同じ炭水化物量です。餃子とご飯を一緒に食べる時は、餃子の量に応じてご飯の量を調節しましょう。」とお話しています。また「野菜をたくさん食べましょう。」と漠然と言うのではなく、「スーパーなどで売っているカット野菜一袋が一食に食べる野菜の目安量ですよ。」とお伝えしています。果物がお好きな方には「一口サイズにカットしたフルーツが片手に乗り切る位が1日の目安量です。」と具体的な説明を心掛けています。当院では診察の待ち時間に看護師や管理栄養士から、日々の生活に取り入れていただけるような具体的なワンポイントアドバイスを、1~2分程度の短い時間で行っています。

◆心に残るエピソード
1分アドバイスの際に患者さんがお話されていた内容を、私から医師に伝えたことで他の病気の発見につながったことがありました。お礼を言われることではないのですが、「あなたのおかげ」とおっしゃっていただけたことはとても嬉しかったです。こうして毎月お話ができることで、患者さんの環境の変化をリアルタイムに把握できるというところも1分アドバイスのメリットだと感じました。

◆現場の課題
日本では糖尿病で通院を中断される方は1年間に8.25%もいらっしゃいます。通院を中断される方を一人でも減らすことが今後の大きな課題だと思っています。糖尿病などの生活習慣病は改善はしますが完治することは難しい病気です。だからこそ一人一人のライフスタイルに合わせた無理のない治療方法を患者さんと一緒に考えていくことが非常に大切だと思います。また健康診断等で糖尿病を指摘されていても、医療機関を受診していない方はたくさんいらっしゃいます。血糖値が高いだけでは自覚症状はほとんどでないので、病院へ行くという気持ちが遠のいてしまうこともわからなくもありません。血糖値が高い状態が長い間続くと、知らない間に血糖値を下げる体の働きがどんどん低下してしまします。受診して食事や運動に少し気をつけていただくだけでも将来が大きく変わってくると思いますので、健診で糖尿病の疑いありと言われた方は是非これを機に、一人でも多くの方に医療機関を受診していただければと思います。
 
 

 
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