健康ライブラリー 2019年2月17日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア

●教えてドクター 

★2月のテーマ「高齢者の関節症」

名古屋大学医学部付属病院 整形外科
平岩秀樹 先生

膝の痛みで一番多いのは変形性膝関節症と呼ばれる病気です。膝が加齢とともに軟骨がすり減り骨がすり減ってくることによって痛みがでてくる病気です。特に正座やしゃがむ動作やで痛くなります。平地を歩くのはいいのですが、階段とか坂道が辛いとかいうことをおっしゃる方が多いです。これは年齢とともにおこる病気です。ただ年をとったら皆がなる病気ではないです。やはり年をとるまでの体の使い方で変わってきますし、昔の怪我が原因でだんだんひどくなってくるケースもあります。変形性膝関節症の治療に対しては大きく分けて、保存治療と手術治療の二つがあります。保存治療としては患者さんに膝に対する知識を持ってもらうことを行っています。痛みをおこしやすい行動様式というものがあります。例えば、しゃがむ動作や正座やはげしい肉体労働やはげしい運動等が痛みをおこしやすいので、そういう動作を避けていただくというのが保存治療の中の一つ目の治療です。もう一つの治療としてウォーキングやエアロバイク等の有酸素運動があります。痛みが強くて日常生活に支障がある場合には手術治療があります。年齢が若くてたくさん動く人は骨切り術と言って骨を切って傾きを変えて痛みを減らす手術をします。年齢がある程度いった人や変形がひどい人には人工関節という手術を行っております。変形自体を治す薬はありません。変形性膝関節症の症状である痛みを減らす痛み止めとして薬が使われております。ゆっくり経過していく病気ですのであわてて病院にかかる必要はないかもしれませんが、知識なく過ごすことで症状がひどくなることがあります。困ったなと思った場合は早めに病院に相談に来ていただけると良いと思います。
 

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪

北野 達也 先生(星城大学 医療マネジメントコース専攻長 教授) 

<力を入れて取り組んでいる事>
医療業界では様々な問題があります。1.欧米では医学部、大学院等に病院管理者(理事長、病院長等)養成課程が存在する中、我が国では僅かであり養成機関増設が急務です。2.患者取違い等の医療事故が推定40,000件/年ある中、安全対策費を投入するも低減されず、リスクマネジメント専門家の養成が急務です。3.現行の診療報酬制度の問題点として、患者の方々が外来受診、入院、処置、処方、検査等することで病院が収益を得て遣り繰りする仕組みであり、人口減少、国民の健康増進普及活動に伴わない仕組みゆえ、病院が維持運営できず、地域医療崩壊を招いています。⇒本来、医療質・安全の向上、患者の方々が目標とする治療結果の最適化で早期治癒すべく新たな仕組み「新臨床評価制度」の制度化が急務です。これらの課題を解決すべく、当学では、我が国初の病院管理者養成コースを2006年4月に学部に開講し、患者本位で安全・安心で質の高い医療提供を継続的に担うことのできる病院管理者、医療安全管理者、医療クオリティ・マネジャー、医療事故調査官等を目指す次世代の人材育成に注力しており、結果としてよりよい医療を提供することに結び付けております。

<心に残るエピソード>
私は34年前、航空業界のパイロットでしたが自分自身の視力障害で飛行機を降りることになりましたが、その航空業界での経験、つまり、乗客・乗員、地上にある民家の安全を最優先で、航空機を一機運航するためには倫理観、利他主義、人間性、卓越性をはじめ、多職種連携、専門職のチームワークが重要だということ、今日の医療業界でも同様に人の命を預かる職業であると考えました。今までの経験が医療業界で活かせるよう願っております。

<現場の課題>
私自身、救急救命センター等の臨床現場に20年近くおりました。目の前の患者さんを助けるというのが本来の仕事ですが、年々複雑多様化する中、医師をはじめ専門特化・分化し、全身を診れない医療従事者が増加傾向にあります。医療従事者は国家資格、認定資格等26職種ありますが、昨今、職種間の縦割りが目立つ状況です。前身の航空業界における経験値、倫理観、プロフェッショナルの定義、対話法、チームワーク構築等の方法論が活用できるのではないかと考えています。専門特化・分化し、横のつながりが希薄化する中で、さらに医療者同士のコミュニケーション、医療者-患者間のコミュニケーションも図れていないのが現状です。これらを改善することで医療質・安全の向上に結び付き、よりよい医療提供ができるものと確信しております。
 
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