健康ライブラリー 2019年1月27日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア

●教えてドクター 

★1月のテーマ「糖尿病治療の最新情報」

糖尿病・内分泌 内科クリニックTOSAKI
院長 戸崎 貴博 先生

糖尿病になったら治療をがんばればいいと思っている方が大変多いと感じています。ところが実は糖尿病になる前から、徐々に糖尿病の状態は作られます。すい臓のインスリンを出すβ細胞というものは20歳位の元気な時と比べると、糖尿病と診断された時にはすでに40%位まで落ちてしまっていると言われています。「糖尿病になりかけ」とか「糖尿病の気がある」と言われた時にはすでの病気は進行しています。少しでもそういったことを言われた方は食事・運動療法に取り掛かっていただいたほうが、糖尿病になる時期を遅らせることもできますし、糖尿病になってからも悪化しにくくなります。健康診断を受けていれば糖尿病になりかけていると気付いていただけます。健康診断を受けていないと気付けません。偶然クリニック等を受診されて、そこで尿検査や血液検査をしたら、たまたま血糖値がたかめだと言われたという方もいらっしゃいます。そういったことも無いと何年も気付かず、気付いた時は何年も前から糖尿病になっていた、という方もよくいらっしゃいます。年に1回で結構ですから必ずどこかで健康診断を受けていただきたいです。特にお父様かお母様が糖尿病にかかっていたという方は是非毎年、健康診断を受けていただきたいと思います。具体的に生活を改める場合、食事では一般には身長にあわせたカロリー等、難しい食事療法を指導されます。ところがほとんどの患者さんは急にはできません。ですから当院では「まずお野菜をたくさん食べて下さい。」と伝えます。「たくさん食べて下さい。」と伝えるだけではほとんどの患者さんに実行していただけないので、「毎食両手の平にのる位の野菜を食べて下さい。」と伝えます。患者さんは「えっ、毎食両手の平ですか?1日じゃないですよね?」とびっくりされますが、実は毎食必要です。この1回120gの野菜をはかっていただくと、ちょうど両手の平に乗る量になります。たとえば温めた野菜ですと片手の平位で大丈夫です。これは味噌汁の具でもお鍋の具でも何でも結構です。「朝から食べる時間はないよ。」という方はよくいらっしゃるのですが、トマトが嫌いでなかったらミニトマトを8個かじればちょうど120gの野菜になります。芋等は炭水化物が多いので、芋類以外であれば何でも結構です。もし野菜がお嫌いでしたら海藻類でも結構です。特に外食の時は野菜が少なめになってしまう方が多いです。例えばラーメン屋さんに行ったら、素のラーメンより具材の野菜を大盛にしてもらうとか、チャンポンにしてもらうと良いです。面白い統計がありまして、例えばおにぎりだけで食べるよりも、おにぎりの前に野菜を食べるだけでおにぎりの吸収がゆっくりになります。おにぎりが血糖値を上げるのですが、前もって野菜を摂った方が血糖値はゆっくり上がります。血糖値がゆっくり上がることで血糖値のピークが下がります。血糖値のピークが下がることで糖尿病が悪化しにくくなります。別の先生の統計では、たんぱく質を炭水化物の前に摂ると、血糖値がゆっくり上がるというデータもあります。魚でも肉でも結構ですがたんぱく質を炭水化物の前にしっかり摂っていいただくと血糖値がゆるやかに上がります。運動面では1日に30分位の早歩きを週に5回できると理想的です。これはほとんどの方ができません。1日10分でも1週間に1回でもいいので、できそうな事から始めていただきたいです。
 

●医療コラム ~がんの新しい治療法の発展に期待

論説室 後藤 克幸

がんの免疫の研究で画期的な治療薬に道を開いた京都大学 特別教授の本庶 祐さんが、去年のノーベル医学生理学賞を受賞しました。

◆「免疫チェックポイント阻害剤」開発に道を開いた研究
人の体には、異物を攻撃する「免疫力」が備わっていますが、がんは免疫チェックポイントという仕組みを利用して、免疫にブレーキをかけてしまいます。そのチェックポイントを阻害する薬で免疫本来の攻撃力を取り戻す治療が、本庶さんの研究から生まれたのです。新しい発想で、がんを治療する道が大きく開けてきました。

◆科学的根拠のない民間療法には注意を
ノーベル賞を受賞したのは「免疫チェックポイント阻害剤」の開発につながった研究であって、あらゆる「免疫療法」がノーベル賞で評価されたのではありません。科学的根拠のない民間療法の中に「ノーベル賞を受賞した『免疫療法』」などと、誤った宣伝をするものもあるため、がんの専門医は注意を呼び掛けています。

◆がん治療は日進月歩
本庶さんは、去年、ノーベル賞の受賞式に臨む記者会見で「あと10年~20年くらいしたら、ほとんどのがんが、免疫療法で治せるようになるのでは・・・」という希望を語りました。
今年も医療は、日進月歩で新しい治療技術の研究が進むでしょう!本庶さんの研究を、さらに多くの若い研究者たちが受け継いで進化させてくれることを、期待を期待します。

 
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