健康ライブラリー 2019年1月20日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア

●教えてドクター 

★1月のテーマ「糖尿病治療の最新情報」

糖尿病・内分泌 内科クリニックTOSAKI
院長 戸崎 貴博 先生

今までは糖尿病の薬は最低1日1回飲まなければなりませんでした。それが1週間に1回飲むだけで毎日飲むのと同じくらいの効果がある薬が出始めました。患者さんの満足度を当院で調査したことがあります。ほとんど効き目も値段も同じ薬を1日1回飲むのと、週に1回飲むのと比較すると、週に1回の方が満足度が上がることがわかりました。患者さんの満足度が上がると、おそらく通院を辞めたいなと思う気持も減るし、他の行動にもより熱心に取り組んでいただけるという印象を持っています。薬を飲むのを1週間に1回にして負担が減ることで糖尿病自体が良くなる方もいるかもしれません。またお年寄りの介護をしている方にとっても良い点があります。統計によると介護されている高齢者の方で、朝薬を飲んでいただくのに5分以上かかる方が70%もいらっしゃいます。毎朝薬を飲むということが減るだけでとても楽になると思います。それに飲み忘れも減ることが多くなると思うので、それによって血糖値が下がることになります。飲み薬だけでなく注射薬も週に1回のものがあります。これはGLP-1といって食事を摂った時だけインスリンを効率よく出す薬です。これは非常に効果が強力で、なかなか薬を飲んでくださらない高齢者の方にも介護の方が皮膚の上からパチンとボタンを押すだけで注射できます。寝たきりの方でもできますので非常に介護の現場では重宝されていると思います。他にも2つの薬を1つに合わせた配合剤というものも次々登場してきています。この配合剤を飲むことで2個が1個になる、3個が1個になるということになります。これで飲み忘れが減ったりきちんと飲めるようになったりして、血糖値が良くなる方もいらっしゃると思います。また配合剤は値段も安くなります。普通2つの薬を配合しますと、2つの薬をあわせた値段に0.8をかけて薬の値段はつくられます。配合剤にすると薬の数も減るし値段も安くなりますので、患者さんは喜ばれます。
 

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

山田和成さん (あいち小児保健医療総合センター 事務部 企画・経営 主任主査) 

<力を入れて取り組んでいる事>
あいち小児保健医療総合センターは平成28年3月の小児救命救急センター指定を皮切りに平成30年12月に小児専門の急性期病院として生まれ変わりました。現在私が1番注力している仕事は、小児科及び病児の治療を目的とした周産期という範囲だけではありますが、愛知県内での最適化を模索することです。言葉を変えますとお医者さんが子供たちの治療に専念できるような環境を整えることです。ただある方のベストはある方のワーストでもあります。最適化という言葉を使わせていただいたのは、今ある環境を急激に変えることではなく、ベターな方法を検討し選択するという意味からです。特に医療という世界では倫理や安全、経済面、労力面等々いろいろな方面からバランスをとる必要があります。また重篤な病気を患った子どもさんは、病気と長い期間つきあっていかなければないこともあります。当センターでできる治療を終えた後の未来を考えてそれぞれの役割分担を意識した、地域医療連携を行うようにしています。私が自治医科大学大学院医科学研究科で専攻した研究室の先生は、地域医療におけるAIやIOTやICTの活用を研究されていました。その時の学びが現在の仕事でも十分活用できていると思います。

<現場の課題>
一つは今の職場では、子どもさんのために一生懸命働きすぎてしまう方がとても多いということです。患者さんにとってはありがたいことではありますが、お医者さんも人の子です。一人でも多くの患者さんを救っていただくため、心身的バランスやワークライフバランスをとっていただかなければならないと思います。もう一つは患者さんがそれぞれのベターな選択をしていただくためのツールの可視化です。例えば同じ疾患でも医療機関によって微妙に治療方法や治療内容が変わってきます。患者さん達が自ら治療法等を選択できるような見える化をしていきたいということが課題です。
 
この記事をシェアする

あなたにオススメ

アーカイブ

同じカテゴリー

×