●教えてドクター
★12月のテーマ「心不全」
名古屋大学医学部 循環器内科
室原 豊明 先生
心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。心不全は心臓が血液を全身に送り出せないことによる低拍出と呼ばれるものによる症状、また心臓が血液を送り出せないためにうっ血してしまうための症状の2つの症状に大きくわけられます。心臓から血液が出て行かないことによる症状としては、血圧が下がり、そのため疲れやすく体がだるくなるといった症状が出ます。たとえば3階まで登っても大丈夫だったのに、2階まで登っただけで疲れる、またいつも手足が冷たく感じるといったことがあります。左側の心臓が動かなくなると血液が肺に溜まります。肺に血液がたまってきますと、息苦しい、夜間に咳が出る、座っているといいけれど横になると急に息苦しくなる、あるいは動いた時に息がきれる、などの症状が出ます。右側の心臓が動かなくなりますと、全身に血液がたまってきます。全身に水がたまるので体重が増えてしまい手や足がむくむ、頚の静脈が浮き上がる、腸管にもうっ血がくるので食物の吸収が悪くなるため食欲がなくなる、といった症状がでてきます。ですから、心不全の症状というのは何でもありうると考えて良いと思います。また、心不全の症状は他の病気との鑑別が難しい場合もあります。例えば息苦しい、息切れがするといった症状一つとってみても、心臓の病気もありますし、肺の病気もありますし、血液が薄くなる貧血ということもあります。少しでもおかしいと思ったら掛かりつけのお医者さんに診ていただいて、心電図や胸のレントゲン写真を撮ったり心臓のエコーを撮ったりしていただくと良いと思います。たばこがやめられない、あるいは高血圧や糖尿病である等の心臓に対するリスクがある方は心不全になりやすいと言われています。とくにそういった危険因子を持っておられる方は日頃から自覚症状に注意していただきたいと思います。
名古屋大学医学部 循環器内科
室原 豊明 先生
心臓は全身に血液を送るポンプの役割をしています。心不全は心臓が血液を全身に送り出せないことによる低拍出と呼ばれるものによる症状、また心臓が血液を送り出せないためにうっ血してしまうための症状の2つの症状に大きくわけられます。心臓から血液が出て行かないことによる症状としては、血圧が下がり、そのため疲れやすく体がだるくなるといった症状が出ます。たとえば3階まで登っても大丈夫だったのに、2階まで登っただけで疲れる、またいつも手足が冷たく感じるといったことがあります。左側の心臓が動かなくなると血液が肺に溜まります。肺に血液がたまってきますと、息苦しい、夜間に咳が出る、座っているといいけれど横になると急に息苦しくなる、あるいは動いた時に息がきれる、などの症状が出ます。右側の心臓が動かなくなりますと、全身に血液がたまってきます。全身に水がたまるので体重が増えてしまい手や足がむくむ、頚の静脈が浮き上がる、腸管にもうっ血がくるので食物の吸収が悪くなるため食欲がなくなる、といった症状がでてきます。ですから、心不全の症状というのは何でもありうると考えて良いと思います。また、心不全の症状は他の病気との鑑別が難しい場合もあります。例えば息苦しい、息切れがするといった症状一つとってみても、心臓の病気もありますし、肺の病気もありますし、血液が薄くなる貧血ということもあります。少しでもおかしいと思ったら掛かりつけのお医者さんに診ていただいて、心電図や胸のレントゲン写真を撮ったり心臓のエコーを撮ったりしていただくと良いと思います。たばこがやめられない、あるいは高血圧や糖尿病である等の心臓に対するリスクがある方は心不全になりやすいと言われています。とくにそういった危険因子を持っておられる方は日頃から自覚症状に注意していただきたいと思います。