健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年11月18日

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●教えてドクター 

★11月のテーマ「介護・リハビリ ロボットの最新情報」

国立長寿医療研究センター副院長
健康長寿支援ロボットセンター長
近藤 和泉先生

今、最も開発が進んでいるのは移動支援ロボットです。移動支援ロボットに加速度センサーを付けて活動量を計測することができます。またGPS機能をつけてお年寄りが今どこにいるのかということを簡単に知ることができたり、坂道等を上がる時にアシストし、下る時にブレーキをかけたりするコントロールができるロボットもできています。これはロボットがどのくらい傾斜しているかをセンサーでとらえて、それにあわせて車輪を回す速度をコントロールできるからであり、かなり便利なので盛んに使われています。お年寄りが手で押して歩くことができるカートのような形の物もよく使われています。お年寄りは、出掛けることを好まれる方が多いのですが、道に迷ったりすることを周りの皆さんは心配します。するとお年寄りも「心配をかけるから」と出掛けるのを減らしてしまったり、出掛ける範囲をせばめてしまったりします。その結果として、活動量が少なくなり、身体機能が落ちてしまいます。ですから今現在どこにおられるかを、ご家族が簡単に知って、お年寄りが安心して出掛けられるためにGPSの機能が役に立ちます。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

武仲 真知子さん(訪問看護ステーション「ほほえみ」所長)

<力を入れて取り組んでいる事>
私たちの訪問看護ステーションには現在2名の言語聴覚士がいますが、併設している病院の医師と共同で食べる事への取り組みを行っています。なんらかの病気で食べる事をあきらめざるを得ない療養者がよくおみえになります。ご家族やご本人の中には「食べたい」という思いが強い方もおみえになります。そういった方の思いを大切にしながら、食べる事をなんとか実現しようと医師や言語聴覚士や管理栄養士や私たち看護師で共同して取り組んでいます。その結果お楽しみ程度でも食べる事ができるようになられた方が、嬉しそうな表情をされると私たちもとても嬉しく感じます。

<心に残るできごと>
私たちが関わっている方の中にはがんの方もおみえになります。がんの方は治療ができなくなると、病院から緩和ケアを行う場所への選択を迫られます。「自宅で死にたい」という思いがある方も多いです。私たちが関わった方で、ご自宅で亡くなられる方は穏やかな表情をされます。そして看取られたご家族もとても満足した表情をされます。私は18年間訪問看護師として見てきましたが、「自分は頑張って見届けた。」という思いが強い方もあり、看取った時に本当に良い表情をされています。そのお手伝いを私たちができたことを誇りに思うことが多いです。

<現場の課題>
自宅で療養するにあたっては介護保険制度や自立支援の制度によって、昼間のサービスはとても充実しているように思われます。ただ終末期の方を支えるにあたっては、夜間のサービスが十分でないことを強く感じます。そうなると夜間はほとんどご家族でささえなければならないのが現状です。夜間のサービスはケアする支援者にとってもとても大変なことなので人手不足となりますが、夜間のサービスが充実していくと独居の方でも自宅で安心して療養することができるようになると思います。夜間のサービスの充実により安心して自宅で療養できる方がどんどん増えるといいと思います。
 
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