健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年11月11日

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●教えてドクター 

★11月のテーマ「介護・リハビリ ロボットの最新情報」

国立長寿医療研究センター副院長
健康長寿支援ロボットセンター長
近藤 和泉先生

介護・リハビリロボットには非常にたくさんの種類があります。昨年、経済産業省と厚生労働省が相談して、どんな種類のロボットを開発していくかという枠組みを作りました。それが大きく分けると5つあります。1つ目は歩いたり移動したりすることを支援するロボットです。2つ目はベッドから車椅子に乗り移る、あるいは車椅子から便座に乗り移るといった移乗(乗り移り)を支援するロボットです。3つ目は排泄する時に使われるロボットです。4つ目は見守りやコミュニケーションのために使われるロボットです。最後が人間にとってとても大事な入浴を支援するためのロボットです。この中で一番進んでいるのが移動支援です。体に付ける物と歩行器のように手で持って動かす物と2種類あります。介護するスタッフを支援するロボットのニーズも高まっています。介護現場で腰痛が非常に大きな問題になっています。患者さんの体をベッドから車椅子に移す時等に、使えるロボットがあると非常に便利になるだろうとは言われています。実はそういったロボットの開発を企業の方が行っているのですが、なかなか良い物ができずに困っています。なぜかというとロボットが人間の体を支える部分を作るのが難しいからです。人間の体に接触する部分の形状や材質がなかなかうまく作れないのが課題となっています。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

野々垣 静恵 先生(清里アイリス薬局 薬剤師)

<力を入れて取り組んでいる事>
清里アイリス薬局では在宅療養中の患者様のお宅や高齢者施設に薬剤師がお薬を配達して、お薬の管理をサポートさせていただいております。主治医や訪問看護師さんやケアマネージャーさんや訪問ヘルパーさんや施設の職員さんのような多くの職種の方々と連携して、患者様お一人お一人のニーズに沿った服薬サポートをご提供できるよう、薬局全体で取り組んでおります。また私自身も5年前にケアマネージャーの資格を取得し、在宅療養中の患者様の医療や介護に関する様々なご相談に応じられるよう努めさせていいただいております。

<心に残るできごと>
以前96歳でお一人暮らしの患者様のお宅を訪問した際に、お薬がほとんど飲めていないことがありました。訪問後主治医に相談して、お薬の飲み方や剤形を患者様の飲みやすいように変更していただきました。また1回に飲むお薬の量が多くて、患者様がわかりにくいご様子でしたので、1回分のお薬を一袋にまとめて、週に1回薬剤師が訪問してカレンダーのような形でセットするようにしました。ケアマネージャーさんや訪問看護師さんやヘルパーさんにも訪問時に服薬の声掛けや確認をしていただきました。その結果、患者様は正しくお薬を服用されるようになりました。在宅医療の現場で様々な職種の方々と連携することで、患者様の服薬状況が大きく改善されるということを改めて強く感じました。

<現場の課題>
超高齢化社会と言われている現在ですが、透析を受けられる方も高齢化してきています。昨毎日病院やクリニックを外来で受診された患者様に薬局でお薬をお渡しする業務と平行して在宅医療の業務を行っています。在宅療養中の患者様には緊急でお薬が必要となることもあり、私共も可能な限り迅速に対応できるよう努めております。しかしながら外来の込み合う時間帯等は薬剤師が薬局を抜けて在宅訪問するタイミングが難しい時もあります。また、がんの痛みに使用される医療用麻薬等は薬の納入自体に時間がかかることもあり、どうしてもすぐに配達することが困難な場合もあります。外来の調剤業務に支障をきたすことなく、在宅医療の業務を滞りなく進めていくことと、緊急性の高い在宅訪問にも確実に迅速に対応できる体制を作ることが今の課題になっていると思います。
 
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