健康ライブラリー 2018年10月21日

健康ライブラリー / ライフ・ヘルスケア

●教えてドクター 

★10月のテーマ「乳がん治療の最新情報」

名古屋大学医学部付属病院 手の外科
平田 仁 先生

菊森先生のお話にもあったように乳がんの治療がとても進歩して生存する方がとても増えています。その中で乳がんの転移の問題を解決するためにリンパ節の切除を行います。リンパ節というのはリンパ管の非常に大事な基幹です。リンパ管というのは体液を輸送するための非常に大切な通路になっています。それが手術により壊されることによって、手や足がむくんできます。乳がんの場合は手がむくみます。子宮がんなどは足がむくみます。極端な場合には本来の太さの2倍、3倍になるリンパ浮腫と言われる状態になります。そして手の機能や足の機能がひどく障害されることが起こってきます。乳がんの治療に伴って切除するリンパ節はちょうど脇を中心とした場所にあります。その部分にちょうど腕からのリンパ節も合流しているので、腕の方からの体液の還流がうまくできなくなります。手は腫れが続くと繊維化がおこり組織が硬くなってしまいます。そうすると手がうまく曲がらない、あるいは力が入らない、伸ばそうと思ってもうまく伸ばせられないといった機能障害を起こします。手を腫らさないということがとても大事です。乳がん後のリンパ浮腫というのは典型的にむくみや腫れが長く続いた状態です。そういう刺激で繊維組織がたくさんできていってとても硬くなってしまいます。ひどくなると象のように非常に皺が深い皮膚に変化してしまいます。象皮病といわれるような極端な状態になります。早い段階でむくみをとる治療をしていくことが大切です。リンパ浮腫の難しさは、すぐにむくんでくる状態にならないことです。手術を受けてから早くて半年、普通は1,2年経って浮腫がでてきます。徐々に進む病気ですので、症状が進んでからですと、なかなか治りません。早い時期に専門医に診ていただいて治療を開始することが大事になります。
 

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

岩田 真由子 さん(さくららん薬局 管理栄養士)

<力を入れて取り組んでいる事>
私の勤務するさくららん薬局では栄養士が常駐しており、お薬を取りにこられるだけでなく、健康を維持して薬が必要な人は今以上に増やさないために、食事の悩みや疑問をいつでも相談することができます。また体組成計や血管測定器を常設しているので、処方せんを持っていなくても、気軽に健康管理のためのセルフチェックができます。病院では管理栄養士と直接相談ができます。しかし、地域の身近で通いなれた薬局でも栄養相談ができることは、高齢化社会において患者さん本人や支えているご家族にとっても重要であると考えています。一人一人の悩みに一緒に向き合いサポートしていけるよう日々取り組んでいます。

<心に残るできごと>
定期的にお薬を取りに来られる方が、ある日食事の相談を栄養士としたいと来局されました。お話を聞くと糖尿病の診断基準にも含まれるヘモグロビンA1cの値が基準よりも高くなったことが気になり、食事や運動に気を付けて自分では努力しているつもりだが結果が良くならないということで、相談しにいらっしゃいました。その方には血糖値が上がりにくい食事や間食の提案と、食後に運動を取り入れると良いこと等をお伝えしました。相談後に「聞いてよかった。」と言って下さり、やる気を取り戻されたように感じられ嬉しく思いました。この方のように食事や運動についてよくわからないという方は多いと思います。ご相談を通して改めて、正しい知識を伝える事の大切さを実感することができました。

<現場の課題>
薬局がまだ多くの方の中で薬を受け取るだけの場所という認識であることが課題です。セルフメディケーションが重視されるようになり、大手ドラックストアを始め地域の調剤薬局にも栄養士が常駐するようになりました。身近で通いなれた薬局で健康を維持するためのセルフチェックや栄養相談ができることを多くの方に認識していただき、自分の健康を自分で管理していくために薬局を活用される方が、これからももっと増えていくようにしていきたいと思っています。
 
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