●教えてドクター
★10月のテーマ「乳がん治療の最新情報」
名古屋大学医学部付属病院 乳腺内分泌外科
菊森 豊根 先生
乳がんの基本的な治療は数十年変わらず、手術療法、薬物療法、放射線療法の3本柱が主流です。昔は手術療法がメインでしたが、最近は手術療法の比重はだんだん小さくなり、薬物療法が大きな地位を占めるようになっています。毎年のように新しい薬が登場してきています。分子標的薬といってがんの細胞の中で悪さをしている特定の分子の働きを止める、ピンポイントに攻撃できるような薬が次々開発されています。昔の薬物療法はのべつ幕なしに細胞を叩くというイメージで、副作用も非常に強くでて苦しむことも多かったです。しかし分子標的薬はピンポイントで狙いを定めますので、比較的副作用が少なくて効果が高いです。分子標的薬を使うにあたっては、どのような分子が乳がんの細胞の中で悪さをしているかということをあらかじめ知っておく必要があります。的外れな治療になってしまうので的確なタイプ分けをすることが大事です。患者さん個々人の乳がんのタイプや特徴に合わせた個別化医療というのが現在の主流となっています。手術も的確に過不足なく切除するということが大事ですので、手術の範囲としては非常に小さくなってきています。たくさん切除しなければならない場合は、乳房再建という方法が非常に進歩してきていますので、乳房の喪失というつらい思いをすることが少なくなってきています。日進月歩だと思います。
名古屋大学医学部付属病院 乳腺内分泌外科
菊森 豊根 先生
乳がんの基本的な治療は数十年変わらず、手術療法、薬物療法、放射線療法の3本柱が主流です。昔は手術療法がメインでしたが、最近は手術療法の比重はだんだん小さくなり、薬物療法が大きな地位を占めるようになっています。毎年のように新しい薬が登場してきています。分子標的薬といってがんの細胞の中で悪さをしている特定の分子の働きを止める、ピンポイントに攻撃できるような薬が次々開発されています。昔の薬物療法はのべつ幕なしに細胞を叩くというイメージで、副作用も非常に強くでて苦しむことも多かったです。しかし分子標的薬はピンポイントで狙いを定めますので、比較的副作用が少なくて効果が高いです。分子標的薬を使うにあたっては、どのような分子が乳がんの細胞の中で悪さをしているかということをあらかじめ知っておく必要があります。的外れな治療になってしまうので的確なタイプ分けをすることが大事です。患者さん個々人の乳がんのタイプや特徴に合わせた個別化医療というのが現在の主流となっています。手術も的確に過不足なく切除するということが大事ですので、手術の範囲としては非常に小さくなってきています。たくさん切除しなければならない場合は、乳房再建という方法が非常に進歩してきていますので、乳房の喪失というつらい思いをすることが少なくなってきています。日進月歩だと思います。