健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年9月23日

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●教えてドクター 

★9月のテーマ「過去の病気ではない“感染症”」

名大大学院 医学系研究科 臨床感染統御学
八木 哲也 教授

麻疹が疑われた場合は正確な診断を受けなければいけませんので、医療機関に受診していただく必要があります。麻疹は周囲に麻疹に対する免疫が無い人がいますと非常にうつりやすい病気です。医療機関にかかる際にご自分が麻疹である可能性がある場合は、まず医療機関に連絡をして「麻疹かもしれない」ということを伝えて、医療機関に受け入れの準備をしてもらって、しかるべき方法で受診していただくのが一番いいと思います。麻疹は空気感染という乾燥した非常に小さな粒子(飛沫核)でも人に感染する力があります。麻疹の予防のために一番重要なのはワクチンです。現在はお子さんの定期接種の中に入っていますので、1歳の時と小学校入学前の2回の接種を是非受けさせて欲しいと思います。生涯にわたって2回接種をすれば感染することは少ないと言われていますので、お子さんだけでなく大人で1回しか接種していない方も2回目の接種を推奨します。過去の接種歴については、母子手帳を確認していただくのが一番正確だと思います。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

小川 明子 先生 (名古屋大学 情報学部)

<力を入れて取り組んでいる事>
ホスピタルラジオを日本に広めていきたいです。イギリスでは病院の中に小さなラジオを立ち上げて患者を支えようというボランティア活動があります。病院にいるとどうしても落ち込むことが多いと思いますが、曲をリクエストしたり、ゲームやクイズ等のラジオ番組を通して、患者さん達の鬱々とした気持ちを和らげたりすると同時に、看護に携わっているプロの方や家族や友達とコミュニケーションを深めて支えていくという活動です。現在福井市でモデルケースを考えています。お年寄りのケア施設で看護関係者に関するクイズや入所者の方々を紹介しあうような番組の企画をしています。病室でウェブを経由して聴ける双方向型のラジオの機器の開発を進めていて、今月第1回目の実験を行う予定です。
(参考;介護施設での実証実験

<心に残るエピソード>
英国では協会でのチャリティーやボランティアの文化があるのですが、日本ではあまりそういったものが無いので、どういう仕組みで継続させていくのかということを思案中です。英国の事例をみてみますと老若男女がボランティア活動に集まっていて、そういった活動での出会いを楽しむ文化もあります。寄附についてもユニークなアイデアが蓄積されていて、とても楽しまれています。日本ではどうしても労働時間が長いという問題があるのですが、最近では「誰かの為に自分の時間を使うことが自分自身の幸せなんだ。」という生き方が注目されている部分もあるので、そういったところがうまくいくと良いと思っています。

<現場の課題>
家族の入院に付き添ったり、病院に入院していたりというのは誰にとっても辛い経験だと思います。家族が少なくなっている中で精神的なケアが十分行き届いていないという印象をもっています。欧米では病院内のスタッフや患者さんとのコミュニケーションを向上させていこうとする運動や患者さん同士が痛みや辛さを共有して励まし合うという活動がインターネットを始めとする新しいメディアとリンクして展開されています。日本でもディペックス・ジャパンという団体が認知症やがん等の病の経験についての語りを集めたウェブ等を公開しています。今後データや医療情報というものだけではなくて、患者さんや家族を精神的に支えていくためにメディアをどう使うかということに関心が向けられていくといいなと思っています。
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