●教えてドクター
★9月のテーマ「過去の病気ではない“感染症”」
名大大学院 医学系研究科 臨床感染統御学
八木 哲也 教授
麻疹は俗にいうはしかのことですが、麻疹ウイルスが引き起こす感染症です。気道やリンパ節等に感染する全身の病気で、全身に広がる赤い発疹が特徴的です。臨床経過は10日から2週間位の潜伏期(感染してから症状がでるまでの期間)を経てからまず発熱をします。カタル期と言いますが、熱や咳がでる風邪のような症状が出た後に、一旦熱が下がり再度熱発し、発疹が出てきます。耳の後ろや首や顔から始まって、全身に広がる赤い発疹が出て自然に治っていきます。ところが時には肺炎や脳炎を合併して、お子さんが亡くなることもある非常に怖い病気です。日本では予防接種が広がったことによって、日本で固有に流行していた麻疹ウイルスは日本から排除された状態になっています。日本で発生する麻疹の大部分は海外から輸入された麻疹ということになります。最近では台湾からの旅行者が発疹や熱があっても、人の多い場所を無理して観光して回ったために、沖縄で流行が広がったということもありました。感染を防ぐためには自分がしっかりとワクチンを接種して、麻疹にかからないように予防することが大切だと思います。
名大大学院 医学系研究科 臨床感染統御学
八木 哲也 教授
麻疹は俗にいうはしかのことですが、麻疹ウイルスが引き起こす感染症です。気道やリンパ節等に感染する全身の病気で、全身に広がる赤い発疹が特徴的です。臨床経過は10日から2週間位の潜伏期(感染してから症状がでるまでの期間)を経てからまず発熱をします。カタル期と言いますが、熱や咳がでる風邪のような症状が出た後に、一旦熱が下がり再度熱発し、発疹が出てきます。耳の後ろや首や顔から始まって、全身に広がる赤い発疹が出て自然に治っていきます。ところが時には肺炎や脳炎を合併して、お子さんが亡くなることもある非常に怖い病気です。日本では予防接種が広がったことによって、日本で固有に流行していた麻疹ウイルスは日本から排除された状態になっています。日本で発生する麻疹の大部分は海外から輸入された麻疹ということになります。最近では台湾からの旅行者が発疹や熱があっても、人の多い場所を無理して観光して回ったために、沖縄で流行が広がったということもありました。感染を防ぐためには自分がしっかりとワクチンを接種して、麻疹にかからないように予防することが大切だと思います。