健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年9月9日

[この番組の画像一覧を見る]

●教えてドクター 

★9月のテーマ「過去の病気ではない“感染症”」

名大大学院 医学系研究科 臨床感染統御学
八木 哲也 教授

結核はいくつかの抗結核薬を組み合わせた多剤併用療法を行うと、大抵は治癒が望める病気です。早期に診断をして治療をすれば治る病気だと思います。ただ治療期間が半年もしくはそれ以上かかり、非常に長いです。その期間しっかり薬を飲み続ける必要があります。

診断が遅れ集団感染を起こすようなことを防止するためには、咳が長く続く、微熱が続く、最近体が疲れやすいといった症状が2週間以上続いた場合、医療機関を受診してレントゲンを撮ってもらったり、色々な診察を受けて結核の可能性を否定することも必要だと思います。結核の診断は、喀出される痰(喀痰)の中から結核菌を見出すことでなされます。喀痰を出すのが難しい時には、入院して気管支鏡等の検査をする場合もあります。職場単位の予防としては、事業所等で年に1回はレントゲンを撮ることになっていると思います。そういった時に見つかる場合もありますので、機会があればレントゲンを撮っていただきたいです。また周りにお年寄りがいらっしゃる場合は咳が出たり痰が喉に絡んでいたりといった症状が長く続いたら、その方にかかりつけ医などに受診をお勧めすることが必要だと思います。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

丹下 隆司 先生(りんどう薬局 薬剤師)

<力を入れて取り組んでいる事>
漢方薬局を始めて今年で9年になります。店頭で患者様のお薬相談や健康相談にのりながら、漢方薬や健康食品を販売させていただいております。今注力して取り組んでいる事は患者様のご相談の中で、生活習慣や食習慣を具体的に伺いながら、その中に潜んでいる問題点を探し、薬や健康食品に頼りすぎない日々の養生法をしっかりと時間をかけてお話することです。

<心に残るエピソード>
日々店頭で患者様の健康相談にのっていますと、現代社会においてはある程度は仕方がないかもしれませんが、健康によくない食事の仕方や生活習慣をしていらっしゃる方が多いです。先日30代の女性会社員の方が「最近悩んでいる肌荒れを漢方薬や健康食品でなんとかしたい。」と相談にこられました。ご相談の中で普段の食生活をお聞きすると、朝は時間が無いので朝食は食べずに、通勤途中に冷えた野菜ジュースを飲み、お昼も忙しいのでおにぎりか菓子パン、夜は残業があるので帰宅できるのが9時~10時、夕食は11時頃食べ始め、その後入浴し就寝できるのが早くても12時過ぎということでした。こういった生活習慣が日常的に行われていては、いくら漢方薬や健康食品を飲んでも症状はなかなか改善しません。漢方の世界では昔から「治療三分、養生七分」というように健康な体を維持するには、正しい生活習慣や食習慣が重要です。

<現場の課題>
近年医学の進歩はめざましく、かつては治らない病気も新しい治療法や新薬のおかげで克服できることが多くなりました。それに伴い日本人の平均寿命は男女とも80歳を超え今後さらに延びると予想されています。しかし実際には、生活の支援や介護を必要としない寿命、いわゆる健康寿命と平均寿命との差は男性で約9年、女性では約12年もあり、国の医療費を圧迫し社会問題化しています。私は患者様に薬の飲み方や注意点をお話するだけでなく、時間をかけて日々の養生法をお伝えすることによって、この健康寿命と平均寿命の差が縮められればと思っております。
関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報