健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年7月22日

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●教えてドクター 

★7月のテーマ「すい臓がん」

名古屋セントラル病院 院長
中尾 昭公 先生

がんの発生率は年齢を重ねるほど高くなります。すい臓がんの場合は60代、70代の方が非常に多いです。生活習慣病の中でも特に糖尿病は要注意です。色々なデータでは糖尿病の人は普通の人より約2倍すい臓がんがでやすいということも言われています。糖尿病の方が使っている薬によって、がんの発生がおこりやすいとか、おこりにくいとかというようなことも言われています。それから肥満の人は20代ですと普通の人の3.5倍ほどすい臓がんになりやすいという研究結果もあります。肥満そのものがすい臓がんの原因になる、糖尿病そのものがすい臓がんの原因になる、ということは証明されていません。しかしそういった方の中にすい臓がんになる方が多いということはわかっています。特に糖尿病の方は急に薬の効果があまり良くなくなってコントロールが悪くなったり、若い方なのに最近糖尿病が急にでてきたりした方はすい臓がんを疑って、是非検査を受けていただくのが良いと思います。糖尿病が悪くなったと言っていたら、実はすい臓がんができていて、それがどんどん広がってすい臓の機能が無くなっていて、そのために糖尿病が悪化していたという方は多いです。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

石川 真弓 さん (メイトウホスピタル 地域医療連携室 室長)

<力を入れて取り組んでいる事>
私たち医療ソーシャルワーカーは、患者様やご家族様の支援の際に的確な情報提供ができるよう日々の業務に取り組んでいます。患者様にとって最も良い支援をさせていただくためには、スタッフ同士の連携がとても重要になります。また院内だけではなく地域のクリニックの先生方と月に1回、情報交換の会を実施したり、急性期病院の勉強会へ参加したり、病院内や病院外との連携に力を注いでいます。

<心に残るエピソード>
「最期は自宅で過ごしたい」と入院中よりご希望されていた、高齢男性の退院支援が今も思い出されます。奥様と二人暮らしで、娘さんがいらっしゃいましたが、既婚で仕事もあり別の場所で生活をしていらっしゃいました。奥様にかかる介護負担や娘さんの協力も必要となることなど、ご自宅での生活はかなり厳しいことが想像されました。しかし奥様も娘さんもご本人の気持ちを第一に考え、ご自宅での介護を決められました。私たちは医療ソーシャルワーカーとして、医療に加え介護や福祉のサービスを提案し、ケアマネージャーと協働し、地域を支えるネットワークを最大に活かし、ご自宅へ退院していただきました。数年在宅介護をされ、ご自宅で看取られたそうです。その後奥様が来院され、「あの時はありがとう」と笑顔でおっしゃった顔が今も忘れられません。

<現場の課題>
私たちの病院にいらっしゃる入院患者様は、必ず一定の入院期間を経て次の療養先へ行かれます。ご自宅や施設など退院先は様々です。私たち医療ソーシャルワーカーは、常に患者様やご家族様の希望を第一に考え支援させていただいております。しかし時には入院期間や退院先などについて、私たち医療者側とご家族の思いにギャップが生じることがあります。ご家族様の中には少しでも長い入院を希望されたり、退院先についても金銭面を重視されたりするあまりに「ご本人にとって本当にいい場所なのか?」と私たちが思える施設を選択されるご家族様もいらっしゃいます。患者様にとって何が一番良いのかをこれからも考えて提案していきたいと思っています。
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