健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年7月1日

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●教えてドクター 

★7月のテーマ「すい臓がん」

名古屋セントラル病院 院長
中尾 昭公 先生

消化器系のがんで死亡数が最も多いのが大腸がんです。その次が胃がん、3番目がすい臓がん、4番目が肝臓がんです。すい臓がんと大腸がんは毎年毎年、増加傾向にあります。胃がんと肝臓がんはやや減少傾向にあります。ヘリコバクターピロリという菌が胃の中で見つかってそれを除菌することによって、たぶん胃がんはこれから、どんどん減ると思われます。特にその感染がかつては多かったのですが、衛生状態が良くなり、最近の若い人では感染率が低いと言われています。この先胃がんは減少傾向になると思われます。すい臓がんや大腸がんが増加傾向にある背景には日本人の生活様式の欧米化があります。特に肉食が多くなった等、食生活が大きく関わっています。欧米では勿論大腸がんの数がトップです。胃がんはそれほど多くはありません。すい臓がんの原因ははっきりしませんが、日本も欧米並みの状況になってきました。がんの発生率はすい臓がんは大腸がんや胃がん等に比べては多くはありません。ところが1度発生すると難治中の難治のがんがすい臓がんです。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

丹羽 一秋さん(理学療法士、さくらの丘クリニック通所リハビリテーション 所長 )

<力を入れて取り組んでいる事>
私の勤めております「通所リハビリテーション」という所はデイケアともいいます。デイサービスとは利用目的が異なっています。理学療法士、作業療法士等の専門スタッフが配置さされ、心身機能の維持回復に重点がおかれています。「さくらの丘クリニック通所リハビリテーション」では運動を中心とした1時間15分の短時間コースと運動、食事、入浴を提供する6時間10分の長時間コースがございます。名東区、千種区を中心としてご自宅まで送迎を行っております。当施設の特徴といたしましては、理学療法士等の専門スタッフだけではなく、パーソナルトレーナーや健康運動指導実践士等多彩な職員がそろっているところです。利用者様が可能な限り居宅において、その人らしい生活が営めるよう各職種が協力、連携をしてリハビリテーションサービスに取り組んでいます。

<心に残るエピソード>
当施設を利用されている皆様は高齢者の方がほとんどです。その中で40代の男性で脳卒中を発症し入院をして、その後に当施設をご利用になった方がおみえになりました。後遺症として左の手足に運動麻痺がある状態でした。本人の希望としては、職場復帰と車の運転がしたいということでした。その時点では外を歩くのも奥様の付き添いが必要な状態でした。当施設の中にみえてもまわりは高齢者ばかりで戸惑いがあるというご様子でした。最終的には1年ほどご利用になられ、仕事復帰をされました。現在では車を1人で運転して出勤をし、また電車にも1人で乗れるようになりました。私は現職の前は10年ほどリハビリテーション病院のリハビリ室に勤務していました。しかし、病院では退院後の生活は見ることができませんでした。退院した後もこのように目標に向かって頑張ることで希望がかなうということを教えていただいた貴重な経験でした。そのためとても心に残っています。

<現場の課題>
骨折や脳卒中等で入院をされた方は、集中的なリハビリテーションを受けることはできています。しかしその日数が年々短縮されてきています。まだまだ体の機能的には回復が不十分な状態で自宅へと退院される方が増えているように思います。退院直後から間を空けずにリハビリテーションサービスを行っていくためには、今後医療機関と在宅での各サービス事業者間で円滑な情報共有が重要となってくると思います。今後は地域の中で医療機関、介護事業所等、顔の見える関係作りにも取り組んでいきたいと考えています。
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