●教えてドクター
★6月のテーマ「高齢者の目の病気」
名古屋大学病院 眼科 教授
寺崎 浩子 先生
「緑内障」
今回は緑内障についてです。眼には眼圧といって、眼の内圧を示す数値があります。緑内障とは眼圧が上がり眼の視野が欠けてくる病気です。(重要なことなので先に一度お断りしますと、実は眼圧が高い緑内障は3割だけです。)眼は日々、中で水を作っていて、排出されています。その排出と作る方のバランスがくずれると、眼の中の圧が高くなります。眼の水の出口は網の目のようになっていますが、加齢とともにその網目の通過が悪くなり眼圧が高くなります。また、ある一定期間ステロイドという副腎皮質ホルモンを目薬や飲み薬で使ったりしますと、その網目が狭くなり眼圧が上がります。他に、急激に水の出口部分そのものが狭くなってくる緑内障があります。これは閉塞隅角緑内障というもので、比較的今まで視力が良かった方に急性におこることが多いのです。急に眼圧が上がりますと眼が痛くなったり、吐き気がしたりして脳神経的病気と間違えられることもあります。このタイプの方は、体に投与されるお薬に注意が必要です。
最初のほうで述べたように多くの緑内障は慢性で、初期には何の症状もありません。このタイプのものは原発開放隅角緑内障といいますが、このタイプの9割の人が、正常眼圧緑内障であることが多治見スタディという研究でわかっています。人間ドックで正常範囲の眼圧であっても、緑内障だったいうことは頻繁にあります。軽度であれば目薬をさすことになりますが、ご自分で眼科にかかり、緑内障が気になっているといって検診を受けないと早期にはわかりません。多治見スタディでは、緑内障と言われた約8割の人が眼科を受診していない方々でした。40歳を過ぎたら5%が緑内障であると言われていますので、必ず検診をしていただかないと早期発見ができないということになります。自分がアクションを起こさないかぎり緑内障は早期に発見されません。一度欠けてしまった視野はもう戻らないのです。
名古屋大学病院 眼科 教授
寺崎 浩子 先生
「緑内障」
今回は緑内障についてです。眼には眼圧といって、眼の内圧を示す数値があります。緑内障とは眼圧が上がり眼の視野が欠けてくる病気です。(重要なことなので先に一度お断りしますと、実は眼圧が高い緑内障は3割だけです。)眼は日々、中で水を作っていて、排出されています。その排出と作る方のバランスがくずれると、眼の中の圧が高くなります。眼の水の出口は網の目のようになっていますが、加齢とともにその網目の通過が悪くなり眼圧が高くなります。また、ある一定期間ステロイドという副腎皮質ホルモンを目薬や飲み薬で使ったりしますと、その網目が狭くなり眼圧が上がります。他に、急激に水の出口部分そのものが狭くなってくる緑内障があります。これは閉塞隅角緑内障というもので、比較的今まで視力が良かった方に急性におこることが多いのです。急に眼圧が上がりますと眼が痛くなったり、吐き気がしたりして脳神経的病気と間違えられることもあります。このタイプの方は、体に投与されるお薬に注意が必要です。
最初のほうで述べたように多くの緑内障は慢性で、初期には何の症状もありません。このタイプのものは原発開放隅角緑内障といいますが、このタイプの9割の人が、正常眼圧緑内障であることが多治見スタディという研究でわかっています。人間ドックで正常範囲の眼圧であっても、緑内障だったいうことは頻繁にあります。軽度であれば目薬をさすことになりますが、ご自分で眼科にかかり、緑内障が気になっているといって検診を受けないと早期にはわかりません。多治見スタディでは、緑内障と言われた約8割の人が眼科を受診していない方々でした。40歳を過ぎたら5%が緑内障であると言われていますので、必ず検診をしていただかないと早期発見ができないということになります。自分がアクションを起こさないかぎり緑内障は早期に発見されません。一度欠けてしまった視野はもう戻らないのです。