健康ライブラリー

健康ライブラリー 2018年6月3日

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●教えてドクター 

★6月のテーマ「高齢者の目の病気」

名古屋大学病院 眼科 教授
寺崎 浩子 先生

「白内障」

眼にはレンズの役割をする水晶体というものがございます。その水晶体が濁ることが白内障です。最初は、明るい所に行くと光がまぶしい、あるいはつやのある紙に書いた字を見る時にちょっと見にくい、少し暗くなると見やすい、というような症状で気づくことがあります。それが進行してくると、まず視力が落ちます。遠くの小さい字が見にくいという症状もありますし、中には光の方に向かわない時は見やすいですが、光の方に向かって人の顔を見ると顔が黒く見えるという、逆光線になると見えないといった症状もあります。「白内障の症状かな?」「少し見にくいな」と思った時は水晶体の濁りである白内障なのか、他の病気も一緒にあるのか、ということが大事なところだと思います。やはり白内障になる年齢は、緑内障や糖尿病網膜症といった他の病気も交じってくる年齢です。白内障かな?と思ったら眼科の先生に診ていただくことが大事だと思います。白内障の初期で視力も落ちていないような場合には経過観察で良いと思います。定期的に視力に変わりがないかと、眼科にかかられるといいと思います。白内障が進行して見にくいということがありましたら、手術を受けることが可能です。心配はしなくても良いと思いますが、水晶体の濁り方には色々なタイプがあります。その人その人によって水晶体の硬さも違い、手術の難易度も違います。手術を受けられる際に先生に、私の手術は標準的な白内障なのか、難易度が高いものなのか、よくお聞きになると良いと思います。

●スマイルリポート~地域の医療スタッフ探訪 

夏田 亜貴子 さん 
(名古屋市昭和区東部いきいき支援センター=地域包括支援センター センター長)

<力を入れて取り組んでいる事>
「いきいき支援センター」の業務内容のPRに力を入れています。「いきいき支援センター」とは全国的に地域包括支援センターと呼ばれる65歳以上の方の総合相談窓口です。名古屋市では、より親しみのある名称として「いきいき支援センター」と呼んでおります。各区にあり小学校区ごとに担当地域が決まっております。分室も含め市内45か所に設置されています。65歳以上の方の総合相談窓口としてだけではなく、認知症の方の相談窓口でもあります。また40歳以上64歳以下の方で特定のご病気をお持ちの方の「介護保険サービス」ご利用に関する相談支援もしています。地域の認知症カフェの情報発信や見守り支援事業、認知症で徘徊の可能性のある方への支援等、さまざまな事業内容を行っています。

<心に残るエピソード>
ご高齢になってご自身で家財の整理がつかなくなり、生活空間がほぼ無くなってしまった方への支援です。社会的地位が高かった方でしたが、配偶者を亡くされ一人暮らしとなられました。だんだん足腰が弱くなってきて、片付けが十分できなくなり、気がついた時には天井近くまで家の荷物が重なっているような状態になりました。いよいよご自身でもこれは困ると考えられて、いきいき支援センターへお電話をいただきました。しかし躊躇されて「やはり相談はしない。」と初回は電話を切られました。1ヵ月位して、また電話がかかってきました。徐々に心を開いていただき、私どもも訪問させてもらえるようになりました。玄関の外での会話から徐々に室内へ入れていただける関係となり、将来の話を一緒に考えていただけるようになりました。荷物を整理して新たな環境で過ごすことにお気持ちが固まり、業者に入ってもらっての片付けを実施いたしました。結果トラック数台分の荷物を処分され、第二の人生の生活の場として、見守りのある自立した方々が暮らす施設へと引っ越されました。生活空間があり食事が提供される温かい環境で今は過ごされておられます。

<今後の課題>
3点ほどあります。まず1点目ですが、ご高齢の男性の地域での交流が少ないことです。特に配偶者が亡くなられてお一人暮らしになると、周りにも異変が気づかれにくい状態となることが多いです。2点目はいわゆる8050問題と言われるものです。ご高齢の親御様とそのお子様だけの世帯で、事情があり親御様の年金だけで過ごされているとお金の問題等が発生しやすくなります。親御様に介護が必要となっても十分にお金が使えない状態であったりします。3点目は一人暮らしの認知症の方についてです。ご近所との関係が無いとなかなか表面化しにくく、気づいたら買い物やごみ捨て等、トラブルという形で表面化してくることがあります。私どものセンターでは認知症初期集中支援チームが、このような課題に日々対応しております。
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